1度に3つの味!?”大人のためのお子様ランチ”長崎名物「トルコライス」を食べてみた
みなさんは「トルコライス」という食べ物をご存知ですか? トルコと付くからにはトルコ料理なんだろうな、トルコアイスみたいに伸びたりするのかな、なんて考える方もいるかもしれません。
ところが、トルコライスはトルコとついているのにも関わらず、長崎県の名物なのです。今回は、そもそもトルコライスとはどんな料理なのか、どうしてトルコライスという不思議な名前になったのか、そして実際に食べてみるとどんな味なのかをご紹介します。
■トルコライスってどんな料理?
トルコライスは、1つの皿にピラフ・スパゲッティ・デミグラスソースのかかった豚カツ・サラダが盛り合わせてある料理です。お店によって、ピラフがドライカレーや炒飯になったり、デミグラスソースがカレーになったりとバリエーション豊かです。
発祥は長崎であるとも神戸であるとも言われ、さらに大阪にも同じ名前の料理があります。また、県内の複数のお店が「トルコライス発祥の店」を自称しているため、確かなことはわからないそう。
しかし、県内の食堂ではたいてい提供されており、県民のソウルフードとしてテレビでも取り上げられたほど、トルコライスは長崎県民にとって馴染み深いメニューです。
トルコ料理といえばケバブがよく知られていますが、トルコライスに乗っているのは羊肉や鶏肉ではなく、豚肉です。イスラム圏であるトルコで豚肉を食べるのはタブーですので、ここからすでに「どうしてトルコ?」という疑問が湧いてきます。
■どうして「トルコ」ライス?
トルコライスの名前の由来は諸説あり、どれが本当なのかはわかっていないようです。ここでは、有名なものをご紹介します。
- 「ピラフ」はもともと「ピラウ」というトルコ料理であり、豚カツやスパゲッティはその付け合わせである。
- ピラフに使われるサフランがインド、スパゲッティがイタリア、その中間に架け橋として豚カツを置くという解釈から、両国の間に位置するトルコの名前をつけた。
- 豚カツ・ピラフ・スパゲッティを3色のトリコロールカラーに見立て、トリコロールが転じて「トルコ」になった。
どれもそれっぽいといえばそれっぽいですね。みなさんはどの説が有力だと思いますか?
■実際に食べてみた!
1,290円(税込)
今回は、長崎出身の筆者が実際にトルコライスを食べてきました。長崎市内のとある喫茶店の厨房から出されたのは、スパゲッティとカレーピラフ、そしてカレーのかかった豚カツを盛り合わせた、カレーベースのトルコライス。小さいころに食べたお子様ランチを思い出し、年甲斐なくわくわくしてしまいました。
まずはそれぞれの味を楽しんでみました。カレーをからめたスパゲッティ、ジューシーな豚カツ、そして美味しい少しきつめの辛さでありながらも旨味の際立つカレーピラフ。味もさることながら、1つの皿で3つの味が楽しめるというのはとても魅力的でした。
さらに、ピラフ・豚カツ・スパゲッティを一度にほおばってみると、カレーのピリ辛の中で豚カツとご飯、そしてスパゲッティを同時に味わえて幸せな気分になれました。
わたしが行ったお店のトルコライスは、写真のとおりちょっと控えめな盛り方で、小食な方でも食べられるボリュームでした。お店によっては高校生男子もびっくりなほどのボリュームのものや、大人数用のデカ盛りのものもあるので、あんまりたくさんは食べられないという方から、ガッツリ食べたい!という方まで楽しめるのではないでしょうか。
■おわりに
トルコ料理ではないのに名前にトルコと付いていたり、炭水化物×炭水化物×肉というボリューミーな組み合わせだったりと、魅力的でありながらどこかおかしさのあるトルコライス。その趣は、いわば大人のためのお子様ランチ。長崎を旅行する際は、ぜひトルコライスを注文して、子どもの頃のわくわくを味わってみてはいかがですか?