旅行がグッとロマンチックに!消滅寸前の『札幌行き夜行列車』に乗るなら今しかない
夜行列車が危機に瀕している。2000年代に10数本あった夜行列車は、現在7本(毎日運行しているのはたった2本)にまで減っている。来年になると、その7本からさらに3本減るのではないかと考えられる。
その理由は、2016年3月に北海道新幹線が開業を控えているからだ。北海道新幹線が開業すると、青函トンネル内の電圧や整備の関係から、夜行列車の運行が厳しくなると言われている。現在青函トンネル内を走行している夜行列車は3本あるが、来年には乗ることができなくなるかもしれない。
今回はそんな「今しか乗れず」、「消滅寸前」の夜行列車を3つ紹介する。
日本一豪華な寝台特急!? カップルで乗りたいカシオペア
最初に紹介するのは、寝台特急のカシオペア。上野~札幌間を走る寝台特急だ。
この列車の最大の特徴は、とにかく豪華であること。全ての車両が個室で、食堂車があり、雰囲気のいいラウンジもある。
写真は展望車だ。上野発の列車は、最後尾のスイート室が展望車になる。後ろの大きな窓から、北海道の絶景を2人だけで独り占めすることができる。きっと一生の思い出になることだろう。
だが、豪華な寝台特急には注意点もある。まず、全個室が2人用なのだ。大抵はカップルや夫婦が利用するので、男2人で乗ると、とても寂しい思いを味わうことになる。
また非常に人気がある列車なので、発売されるとすぐに切符が完売となる。予約は早めに済ませたい。
1人でも食堂車と寝台を楽しめる! ブルートレイン北斗星
次に紹介する北斗星も、上野~札幌間を走る寝台特急だ。こちらは1人用個室が充実しており、恋人がいない人でも楽しむことができる。
列車の特徴の1つとして、食堂車が挙げられる。現在食堂車があるのは、庶民が手を出せないななつ星、カシオペアと北斗星くらいだ。
北斗星では予約制のディナーが終わった後に、「パブタイム」と呼ばれる時間が存在する。この時間は酒を飲むだけでなく、手ごろな値段で食事を楽しむこともできる。気軽に寝台特急の雰囲気を味わうことが可能なのだ。
(詳細は右記URLを参照) http://www.nre.co.jp/ressya/dining_car.shtml
車内にはラウンジも存在する。ラウンジには自動販売機やテレビなどが設置されており、のんびりとすごすことができる。
北斗星は今年3月に臨時列車となり、切符の確保が以前より難しくなっている。この切符も早めに予約することが必要だ。
安くて快適! 急行はまなす
最後に紹介するはまなすは、青森~札幌間を走る急行列車だ。日本で唯一定期的に走る急行列車でもあり、非常に貴重な存在だ。
この列車の最大の特徴は、その安さにある。寝台特急の場合、特急料金と運賃の他に、「寝台料金」がかかる。例えば北斗星を上野~札幌まで一番安いB寝台を利用した場合、片道で27,980円もかかる。これではなかなか手が出ない。
しかしはまなすの場合、寝台料金の要らない座席車があるので、青森~札幌間でも片道10,020円で済む。寝台特急に比べると手ごろな値段で夜行列車に乗ることができるのだ。
これがはまなすの座席車の1つである、カーペット車の内部だ。人気が高くてすぐに売り切れてしまうが、寝台料金なしで横になることができる。非常に快適で、ぐっすり眠れる。
さらに、はまなすにはこのような「ミニラウンジ」もある。ここでつまみを食べながら酒を楽しむこともできるのだ。
はまなすにはカーペット車以外にも、指定席や自由席がある。仮に予約が取れなくても、自由席に乗って夜行列車の旅も楽しむことができる。実は夜行列車の中で唯一自由席があるのが、このはまなすだ。一番気軽に安く乗れるのがこの列車の特徴だと言える。
近年では夜行列車が減り、旅情を感じる機会がほとんどない。今回紹介した3つの夜行列車もまもなく廃止されるのではないかと言われている。残り少ない夜行列車の旅を今こそ楽しみたいものだ。
※今回紹介した夜行列車は、北海道新幹線の試験走行などにより運休する場合があります。詳しくはこちらのホームページをご覧ください。