聖歌と教会のあるキャンパスライフ。上智大学でキリスト教を感じる6つの瞬間
カトリック修道会、イエズス会が創設した上智大学。
「キリスト教って言うけど、本当に関係あるの?」「ザビエルの肖像画でも飾られてるの?」なんて疑問を持つ人も多いのではないだろうか。
ここでは、上智大生の筆者が、案外知られていない上智大学とキリスト教の関係を紹介する。
⒈聖書と聖歌の響く入学式
例年4月1日に行われる学部入学式では、聖書の朗読と聖歌が響く。式中、唐突に聖書の読み上げに入ると、驚く生徒も多い。
『ルカによる福音書10章29〜37節』を元に隣人愛の大切さが語られ、上智聖歌隊と上智大学グリークラブによって聖歌が朗々と歌われる。
カトリック教徒でない生徒でも、思わずキリスト教を意識してしまう瞬間だ。
⒉必修授業「キリスト教人間学」
上智大学の一年生が必ず通る道。通年の必修科目であるキリスト教人間学は、キリスト教を中心とした10テーマから各学期1つずつ選び、履修する。
もちろん、それぞれ定員があり、比較的親しみやすそうなテーマや楽単と言われる教授の授業は人気が集中する。そのため、第一希望が取れず悲しみの声を上げる者も多い。
ちなみに筆者はどちらも第一希望の「東洋の自然観」と「マイノリティーズと人権」を選択した。西洋との自然観の違いや世界に存在するマイノリティーと人権の問題をキリスト教と絡めた内容がとても興味深い授業だ。
⒊教学支援システムLOYORA
※画像はスクリーンショットです。
世界史選択者では知っている者もいるであろう、イエズス会創立者・イグナチオ・デ・ロヨラから名前を拝借したシステム。イエズス会が創設した上智大学らしい名付け方だ。
履修登録はもちろん、掲示板の確認や休講・教室変更のお知らせ通知もすべてここで行われる。履修登録最終日にはアクセスが集中しサーバーが大混雑するため、「ロヨラさんに会いたくても会えない」と嘆く学生が多数。履修登録はお早めに。
⒋イグナチオ教会の鐘の音
上智大学に併設されているイグナチオ教会。12時と18時にそこから鳴る鐘の音が、教会近くの講義室から聞くことができる。二限終了と五限終了の30分前というタイミングのため、その音を合図に居眠りから覚めて授業のラストに臨む学生もいたりいなかったり。上智の学生でもイグナチオ教会に対する関心の差は様々だが、筆者の友人には上智入学を機にキリスト教に入信し、イグナチオ教会で洗礼を受けた者もいる。基本入り口は開放されており、敷地内にはキリスト教関連のグッズも販売されているので、興味のある人は気軽に行ってみてはどうだろうか。
⒌閉ざされたクルトゥルハイム聖堂
存在を忘れている上智大生も多いが、大学内にも教会が存在する。それが、クルトゥルハイムだ。正確には洋館の中に聖堂があるのだが、普段は一般公開されていないので、中の様子を伺い知ることは難しい。年に何度か公開している時があるので、そこが狙い目だろう。また、この聖堂では上智大学関係者(学生、卒業生、教職員など)が挙式することができる。上智大学関係者、もしくはその人と結婚する人はぜひ利用してほしい。ちなみに、全くの余談だが、この聖堂の名前を大抵の上智大生は字面的にも発音的にも一発で読むことができない。
⒍クリスマスに浮かぶ十字架
キリスト生誕の25日に向けて、各所がイルミネーションや装飾で華やかになる中、上智大学でもその準備が行われる。学内の樹木に数多のイルミネーションがつけられ、メインストリートと門の付近を明るく照らす。
しかし、一番の見所は校舎に映る大きな光る十字架だ。
上智大学北門前♪ 7号館の窓灯が十字架の形になってます♪ どうぞ温かくして、感謝の想いでいっぱいの、クリスマスイヴ&クリスマスをお過ごし下さい( ^-^)ノ∠※。.:*:・’°☆ pic.twitter.com/QfChtQhR2J
— I★R (@saiai_wa_kimi) 2014, 12月 24
7号館の窓から漏れる教室の光を利用して、校舎に十字架が現れる。この工夫はキリスト教所縁の大学ならではだろう。この光る十字架は学外からも見ることができるので、機会があったらぜひ見ていってはどうだろうか。
また、二号館内にはフランシスコ・ザビエルの肖像画が飾られている。
気になった人は、ぜひ上智大生に聞いてみよう。
文/わにわに