世界の本屋~ライトノベルと王宮の特設コーナー!?タイ編
「世界の本屋」ではこれまでアメリカ、ドイツの書店を紹介してきました。アメリカ編、ドイツ編ではおしゃれでユニークな書店が多数登場しました。では、地域を変えてアジアの書店はどうでしょうか。
今回訪問したのは東南アジアのタイ。独特の文化が発達し、日本からの観光客も多い国です。これから紹介する書店は、タイでは一般的なものになります。
その国では一般的な書店であっても、外国人から見ると珍しく見えるものです。どんな書店なのでしょうか。
小ぢんまりとした中でも多くの種類
筆者が訪れたのはタイの書店チェーン、ナイイン(นายอินทร์)のスワンナプーム国際空港店。空港内にあるためか、小さな売店といった感じです。
狭いですが、棚には所狭しと本が並んでいます。雑誌は様々な種類を扱っていましたが、なるべくたくさん置こうとしたために雑誌の形が変形していました。
タイではライトノベルが人気!? 特設のライトノベルコーナー
書店で思わず惹きつけられたのは、日本でいう「ライトノベル」のコーナー。タイではライトノベル人気が高まっており、いろいろな種類のライトノベルが売られていました。
中は全てタイ語の羅列で、タイ語がわからない筆者は全く読めませんでした。
表紙から皆さんはどんな作品を思い浮かべるでしょうか。両端の作品は学園生活をテーマにしたものかなと思いますが、写真中の「My Best (Boy) Friend」だけは想像が付かないですね。
1冊の値段は125B(約600円)。日本でも文庫本が700円くらいで買えることを考えると、あまり安くありません。
国王への敬意は書店にも? 王宮コーナー
書店で次に目に入ったのは、「ROYAL BOOKS」の文字。直訳すると「王室の本」となりますが、ここではどのような本を扱っているのでしょう。
実はタイの書店にはタイ王家と関係がある本を集めた、「王宮コーナー」があります。写真の本には、タイの現国王であるプミポン国王(ラーマ9世)の肖像画や写真が、表紙に載っています。
タイでは国王崇拝が強く、街中に肖像画が飾られていたり、1日2回流れる国歌に対し国民が起立したりします。国王への敬意が書店にも表れているのです。
タイの書店では王宮コーナーやライトノベルコーナーが充実しています。
特に、日本の一般的な書店で「皇室コーナー」なんて個別に設けているところは少ないですよね。街中の一般的な書店にもその国ならではの特徴があるのです。
観光地巡りに疲れた際には、ふとその国の日常に目を向けてみるだけでも面白い発見があるかもしれませんね。
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