楽しそうな仕事のウラにある“譲れないモノ”【霜田明寛インタビュー①】
現役大学4年生である筆者が就職活動をするなかで抱いた「はたらくってなんだろう?」という疑問。その答えに近づくためには、実際に社会ではたらいている方々に話を聞いてみるしかない!
こうして始まったインタビュー企画【はたらくってなんですか?】。
第1弾で取材したのは、ライター、大学での就活講座など、様々なメディアでご活躍されている霜田明寛さんだ。
霜田さんは出版企画コンペイベント「出版甲子園※」をきっかけに、早稲田大学在学中より書籍執筆をはじめ、2009年『パンチラ見せれば通るわよっ! テレビ局就活の極意』で文筆家デビューを果たす。
※出版甲子園:学生対象の出版企画コンペティションイベント。毎年全国の学生から「本にしたい」企画を募り、審査とプレゼンの経て優秀な企画は書籍化される。
フリーライターなどを経て、2013年よりトレンダーズ株式会社に所属し、『ソーシャルトレンドニュース』の編集長を務める。またマスコミ就活対策のトークライブ『就活エッジ』や、早稲田大学生協の就活講座で講師も担当されている売れっ子文筆家だ。
▲デビュー作『パンチラ見せれば通るわよっ! テレビ局就活の極意』(左)と、出版甲子園決勝大会でプレゼンをする霜田さん(右)
霜田さんのお話を伺おうと思った理由はずばり「お仕事が楽しそう」だからである。雑誌やWEBに掲載された記事のタイトルには、「女子大生」「ミスキャン」といった単語が並んでいる。さらにYouTubeには美女と一緒に写った『ゲスアワー』なる動画が載っている。
これはゲスい……いや、楽しそうなニオイがする!!
どうして女子大生と楽しそうなお仕事をされているのか? 会社との付き合い方は? 就活で大事なことは? そして「はたらく」ってなに?
今回の「今の仕事」編では、現在霜田さんがされているお仕事について訊いてみた。
≪霜田明寛さんインタビューシリーズ≫
・「僕の就活」編
・「これからの就活」編
Q.現在どのようなお仕事をされていますか?
霜田さん:
主な仕事は『ソーシャルトレンドニュース』の編集長ですね。他の雑誌やWEB媒体でもライターとして書いています。
『就活エッジ』っていうトークライブでは就活について話をしているし、早稲田大学では就活講座もしています。
他にも色々ありますが、超簡単に言うと「編集長する」「ライターする」「就活の話する」みたいな(笑)
▲霜田さんが編集長を務める「ソーシャルトレンドニュース」(スクリーンショット)
Q.霜田さんは「ミスキャン」についての記事をたくさん書かれています。あれは媒体のほうから「ミスキャンのような大学生と話してください」という依頼が来ているのですか?
霜田さん:
来ますね。それは多分、僕が女子大生とつながりがある、ということが知られているからだと思います。「ミスキャン」や「女子アナ」で検索すると、僕の書いた記事が結構トップに出てくるんですよ。
きっかけは『Numero』という女性誌に載った「なぜミスは女子アナの登竜門か」という記事でした。それがYAHOO!ニュースの「ヤフトピ」というトップの欄に載ってから、ネットで反響があって、それからもミスキャン・女子アナ関連の依頼をいただくようになりました。
Q.ミスキャンに会うのは楽しいですか?
霜田さん:
大学時代に親友とミスキャンについて勝手な妄想をしていた頃に比べると、実際にミスキャンに会って仕事できているのはありがたいなと思います。
でもその反面、実は複雑なところもあるんです。
例えば僕は、就活指導している人間だから女子大生には、どういうビジョンで生きているかとか、何でそういう仕事を志しているかとか深く聞きたい。
でも、雑誌の読者側には「男と浮気してどう」とか聞きたい人が多くて。女子大生の人生論ばかり書くと雑誌側から怒られるし、エロ話ばかり聞くと女子大生が離れていく。
連載70回で2年近く続けているんですけど、女性から嫌われたらダメだし、かといって面白い記事が出せなくても切られる。100%楽しいというわけではない、というかね。
チャラチャラ女子大生と接しているように見えると思いますが、そんな単純じゃないんです。物事は多面的なんです(笑)
会社との関係は「同棲」に近い
Q.トレンダーズ社の霜田さんの社員紹介に「これからずっとトレンダーズと両想いでいたい」と書いてありますが、「両想いでいる」とはどういう形ですか?
霜田さん:
「同棲」に近いというか、一緒に暮らすことでお互いの不完全なところを補って一人前になるみたいなところがあると思っています。料理はできない男が、料理できる女と一緒に暮らすことでちゃんと生きていけるみたいな。
今、会社のチームでは、僕のできないことをやってくれる人がいたりとか、逆にその人ができないことを僕ができたりとか、いい意味で補完できている。それがチームでやる意味だと思っていて。
僕は例えばエクセルとか数字を使うことが苦手だけど、正直そのスキルを取得するために時間を使いたいとは思わない。自分の苦手なことをできる人が会社にいて、その人と組むことによって仕事ができあがっていくのがいいかなと。
どうしてゲスい話ばかりできるのですか?
※画像はスクリーンショットです。
Q.霜田さんといえば、YouTubeやニコニコ生放送で配信している『ゲスアワー』といった番組で、自らの体験談をもとにした「下ネタ」をお話しなさっています。どうしてあんなに赤裸々になれるのですか?
霜田さん:
僕にとっては文章を書くことがあくまで本業なので、文章だけは絶対妥協しないようにしています。だから本はしばらく出ていないし、ブログもやらないし、実は記名で出している記事の数は、著名なライターさんに比べて少ないんじゃないかと思います。
ただ文章を書くこと以外だったら、とにかく露出量を増やしたほうがいいと思っています。
そう思う背景には、大学時代に演劇をやっていたときに味わった「知られていないことに対する絶望」があったから。
当時は自分たちで自腹を切ってスタジオを借り、衣装代を払い、「チケットを買ってください」と友達に売っていました。それが絶望的に嫌で。やっぱり表現を仕事にしたいんだったら、自分たちでお金を払うんじゃくて、お金をもらいたいじゃないですか。
そういう経験があったから、結果的にどんな知られ方でもいいから知ってもらって、書いた文章への入り口になるんだったら、YouTubeやニコ生で自分をさらけ出してしまってもある程度いいかな、と思っています。
確かに『ゲスアワー』で喋ったことが、結果的に僕のプライベートを邪魔することはなくはないんだけど(笑)
でも、最近では、あれを見て僕の就活講座に来てくれるような変わった人も増えてますからね(笑)。そうすると、「あんなに下ネタ喋ってるのに、言ってることはマトモ!」みたいになることもありますし、それこそ、僕のことを多面的に見てくれているんじゃないでしょうか。
取材・文/信太 秀斗
≪霜田明寛さんインタビューシリーズ≫
・「僕の就活」編
・「これからの就活」編