見て、聞いて、感じて。夏休みにオススメの「個性的な」展覧会2選
(photo by Carl Walker)
気づけば夏休みの半分が過ぎようとしています。皆さんは、夏休み前半はどのように過ごしましたか?夏といえば、海水浴やBBQなどが定番になっているかと思います。……が、しかし!アートだって見逃せません。「夏は人とは少し違った過ごし方をしたい」「夏は涼しく過ごしたい」そんな人は残りの夏休みをアートに過ごしてみてはいかが?
ということで今回は、慶應義塾大学でアートマネジメントを専攻する筆者が足を運んだ中でも特にオススメの展覧会を紹介します。
■「動きのカガク展」@21_21 DESIGN SIGHT(六本木)
※画像はスクリーンショットです
日常の表現に「動き」をもたらしたモーション・デザイン。その技術は、車両制御システムや地図アプリケーションなど、私たちの快適で便利な日常生活を支えています。また、映像における躍動的な描写を可能にし、感性に訴える、より豊かな表現をつくりだしています。
「動きのカガク展」は、「動き」がもたらす表現力に触れ、観察し、その構造を理解し体験することで、ものづくりの楽しさを感じ、科学技術の発展とデザインの関係を改めて考える展覧会です。
▲21_21 DESIGN SIGHT外観。東京ミッドタウン内にあります。
建物に入り、さっそくチケットを買います。大学生は通常800円ですが、東大・早稲田・慶應などは本施設と協定を結んでいるため700円で入場可能!ワクワクしながら進みます。
ん?なんだろうこれは。円形の台を、ぐるぐる回る無数の白い円錐が取り囲んでいます。試しに台に上ってみましょう。腕を伸ばして好きな方向を指すと……。
円錐たちが一斉に指の方向に従いました!まるで権力者のような気分になれます(笑)。
▲すべての作品の側には、展覧会ディレクター・菱川勢一氏自身がポストイットに手書きで作品の説明を書いている点がとっても新鮮。
さらに進んでいくと、なにやら高速で木が回っています。紙でできた白い木です。目が回る!
この木はただ回っているだけではありません。細いスリットが空いた「まわる虫眼鏡」で木を見ると……。
ここから先は、見てのお楽しみ。
ここで紹介されている「動く」作品すべてに共通する特徴は、身近な材料と道具を使っているということ。本展ではこのように、日常にひそむ様々な動きの仕組みを体感できる貴重な経験ができます。
■建築&アート作品の両方が楽しめる!「アール・デコの邸宅美術館展」@東京都庭園美術館(目黒)
※画像はスクリーンショットです
目黒駅から徒歩7分の場所に存在する東京都庭園美術館、別名旧朝香宮邸(きゅうあさかのみやてい)は、朝香宮鳩彦王が1947年の皇籍離脱まで暮らした邸宅です。宮邸は朝香宮一家が退去した後、吉田茂によって外務大臣公邸として使用されました。2011年より改修工事のため休館していましたが、2014年11月にリニューアル開館しました。
この美術館の一番の特徴は、なんといっても「アール・デコ」のオンパレードであること!館内の内装や家具には建築当時(二十世紀初め)流行していたアール・デコ様式がふんだんに使われています。
……と、ここまでさらっと書いてしまいましたが、そもそも「アール・デコ」ってどのような様式なの?と疑問に感じる方も多いはず。一応簡単に説明しておくと、アール・デコ様式とは、欧米を中心に20世紀初めに流行した装飾様式のこと。幾何学図形をモチーフにした表現や、原色による対比表現などの特徴を持ちます。
当館に足を踏み入れるや否や、まず驚くのがエントランスの美しさ。エントランスの扉はガラスのレリーフになっています。
この展覧会の魅力的なところは、写真撮影OK(平日のみ)ということ!カメラを忘れずに持っていきましょう。さらに、当館のアプリを無料でダウンロードすれば音声ガイドとして自由に使えるところもとっても素敵!
さらに、美術館併設のカフェテリア『Café du Palais(カフェ・ド・パレ)』では、なんと日本初のホールシフォンケーキが食べられるんです。「シフォンケーキは切りわけて食べるのが当たり前」、そんな既成概念が易々と覆されます。
▲オリジナルシフォンケーキ850円。「レモン&エルダーフラワー」「抹茶マーブル」の2種類から選べます。
いかがでしたか?アートが少しでも身近に感じられたら幸いです。
いずれも9月中に終了してしまうので行くならお早目に。ぜひこの夏は、美術館で感性を磨いてみてください!
文/ 田村恵里佳
開催情報
「動きのカガク展」
会期:2015年6月19日(金)~9月27日(日)
休館日:火曜日(9月22日は開館)
開館時間:10:00~19:00(入場は18:30まで)
入場料:一般1,100円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料
会場:21_21 DESIGN SIGHT(東京ミッドタウン・ガーデン内)
住所:東京都港区赤坂9-7-6
公式HP: http://www.2121designsight.jp/
「アール・デコの邸宅美術館展」
会期:2015年7月18日(土)–9月23日(水・祝)
休館日:第2・第4水曜日 <ただし9月23日(水・祝)は開館>
開館時間:10:00–18:00 *ただし毎週金曜日は夜間開館のため21:00まで
入場料:一般800円、大学生640円、中・高校生・65歳以上400円
会場:東京都庭園美術館
住所:東京都港区白金台5-21−9