【徹底分析】「きのこの山」「たけのこの里」はなぜ熾烈な戦いを続けるのか?
「目玉焼きには醤油かソースか」「たい焼きを食べるときは頭からか尻尾からか」など、些細ではあるけれど譲れないものが誰にでもあります。
その中でも、断トツで騒がれているのが「きのこの山」派と「たけのこの里」派の対立。長年、ネットやテレビで定期的に取り上げられるネタです。
ただ最近は「お前はきのこ派?たけのこ派?」と相手の好みを訊くだけに終始し、なぜ一方が「きのこの山」を愛し、もう一方が「たけのこの里」に執するかにまで話が及ばないことが多く感じます。
そこで今回は、改めて「きのこの山」「たけのこの里」の人気投票を行い、きのこ派とたけのこ派の主張を洗い出すことで「なぜ二派が熾烈な戦いを続けるのか」という問いに迫ります。
【結果】接戦の末、「たけのこの里」が僅差で勝利
110人(男48人、62人)にきのこ派かたけのこ派か訊いたところ、ほとんど引き分け。「たけのこの里」が僅差で逃げ切りました。
1.たけのこ派の言い分
では早速、たけのこ派の主張を見ていきます。「たけのこの里」を好きな理由は
ビスケット生地がサクサクだから
チョコとクッキーの一体感
昔はきのこが好きだったけどたけのこの方が大人っぽくて最近はこっち
クッキーのしっとりさくさくな加減がたまらない
圧倒的「さくさく感」です。「たけのこの里」の食感が一番の勝因のようです。
次に、たけのこ派の「きのこの山」に対する辛辣な評価を見てみると、
キノコのチョコとクラッカーの分離がムカつく
まるごと口に入れたときになんかゴロゴロする
チョコとクラッカー別々に食ってろ
形が美しくない
チョコとビスケットが口の中でハーモニーを奏でない
たけのこ派が「きのこの山」を嫌いな理由は、①チョコとクラッカーが分離している②形が嫌 の2つに分かれました。
「クラッカーの先にチョコの塊をつけただけ。それって何の工夫もないじゃん」というのが、たけのこ派の考えなのかもしれません。
思えば絶大な人気を誇るチョコレート菓子「アルフォート」や「キットカット」、「コアラのマーチ」……どれもクッキーとチョコレートの融合が絶妙です。「たけのこの里」もクッキー素材をチョコレートでコーティングしていて、口に入れたときに二つの全く違う食感・味を堪能できる。
「きのこの山」もクラッカーとチョコレートを一度に楽しめなくはないですが、その独特なフォルム故に口に刺さることがしばしば。「きのこの山」の弱点はそこにあるようです。
2. きのこ派の主張
次に、きのこ派の意見を聞いてみます。「きのこの山」を好きな理由は
持ちやすく 手が汚れない ビスケットの食感
二つの食感を楽しめる、手が汚れない
チョコとクラッカー部分がしっかり分かれてる感じ。形に工夫が見られる点。
チョコとクラッカーが分離できるところ
家で代々きのこ派だった影響、笠と枝の部分を分けて食べる事で二度楽しめる。
中でも多かった理由が「チョコとクラッカーが分けられる」。
チョコとクラッカーが分離していることに憤りを覚える人もいれば、別々に食べることに喜びを見出す人もいるようです。
笠と枝の部分を別々に食べられるという魅力、わからなくもありません。「オレオ」だって上のクッキー部分をわざわざ外して白クリームに付けて食べる習慣がありますよね。
一方、きのこ派の「たけのこの里」への批評は
不倶戴天。
チョコとクッキーが分離できないとこ
チョコが手につく。クッキー生地?が苦手
別々に食べられない笑
クッキーが穀物クッキーみたいな味でやだ
手が汚れる
①クッキーの食感が嫌い②手が汚れる の2つに分かれました。
クッキーのパサパサ感が好みではない人にとっては、「たけのこの里」は拷問でしょう。チョコレートも「きのこの山」に比べ圧倒的に少ないので、きのこ派になって当然です。
手が汚れる、という理由も頷けます。特に気温の高いこの時期、チョコレートで全体の9割がコーティングされた「たけのこの里」をきれいに食べるのは至難の業。その点「きのこの山」は「ポッキー」のように持ち手があり、食べる側にとってはこの上なく嬉しいでしょう。
【結論】「きのこの山」と「たけのこの里」は、価値観の分かれ目が多すぎる
どうやら、きのこ派とたけのこ派の戦いは圧倒的な価値観の対立に起因しているようです。
使われているチョコレートは同じでも、「食感」「形」「食べ方」が全く異なる「きのこの山」と「たけのこの里」。
お菓子大国の日本で、こだわりの衝突が生まれるのは当然です。
「きのこの山」は、柄を模したクラッカーにチョコの傘が付いている構造。これを見て「別々に食べられて楽しい」と感じるか「分離してて形も独特すぎる」と感じるかはその人次第なのです。
物事には二面性があるとよく言いますが、まさに「きのこの山」「たけのこの里」の対立はこれを如実に表しているのではないでしょうか。
文/城見島ほのか