英語が苦手でも楽しめる!? The WASEDA Guardianの魅力とは
「英字新聞」と聞くと、堅くて英語の得意な人しか読まないもののように感じる人は多いだろう。しかし、早稲田大学の公認サークル「ザ・ワセダ・ガーディアン」が発行する英字フリーペーパー「The WASEDA Guardian」は、そんなイメージを払拭してくれる特徴がある。
「英語が苦手な学生が書く、英語が苦手な学生でも楽しめるフリーペーパー」だ。
英語が苦手な学生がどうやって英文の記事を書き、英語が苦手な読者でも楽しめるフリーペーパーを作っているのか。今回はThe WASEDA Guardianの特徴とその裏側を調査した。
▲今年春に発行された78th春号の表紙と裏表紙。企画内容の「デニム」「ギネス記録」をイメージしたデザイン。
伝統が生み出した「取材中心」のフリーペーパー
ザ・ワセダ・ガーディアンが活動を開始したのは1936年。日本一のサークル数を誇る早稲田大学の中でも最古の公認サークルだ。戦前の情報統制の時代に、敵国語であった英語を使って新聞を書けば統制されることはないという理由から創刊された。
そこからフリーペーパーの形式に変わったのも約20年前。他の英字新聞会とも伝統という面で一線を画している。
昨年は3回フリーペーパーを発行。夏号は「プロレス」というテーマでプロレスラーの武藤敬司氏、秋号は「東京と文学」というテーマで早稲田大学准教授の市川真人氏にインタビュー。有名人にも取材を行なっているのが特徴だ。
取材自体を日本語で行うことで、英語とあまり関係性がない人の取材記事を書くことができ、英語が苦手な人も興味を持てる内容になっている。
▲昨夏に発行された78th夏号の紙面。この記事では「宇宙」というテーマで日本科学未来館の職員に取材を行なっている。
ガチだけじゃない!ユーモアあふれる企画
The WASEDA Guardianはガチな取材記事だけではない。ところどころに見られるユニークな企画も興味を引くものとなっている。
例えば、昨年はこんな企画が行われた。北関東出身者を集めた「北関東学生座談会」、レモン早食いなどに挑戦した「ギネス記録に挑戦!」などである。学生だからこそできる企画が、さらに興味をもたせるものとなっている。
記事の演出に関しても毎年様々な工夫が行われており、昨年は記事の一部に日本語を織り込むことで笑いを誘っていた。
▲78th夏号に掲載された北関東座談会の記事。学生の座談会を頻繁に扱うのもThe WASEDA Guardianの特徴である。
英語が苦手でも、質の高い英字記事を書く方法とは?
英語が苦手な学生がどうやって英字の記事を書いているのか。ザ・ワセダ・ガーディアンの英字編集長と前編集長に話を聞いた。
まず、記事の執筆は日本語で行われる。日本語の記事を執筆し、それを英訳することで、最初から英語で記事を書く場合よりも記事を執筆するハードルを下げることができる。
英訳の精度は分担制で上げている。大人数で各自で割り振られたところを調べたり、会議の際に集まって文章を添削したりしながら英訳を確実なものにしている。
英語が苦手な人も多くいるが、帰国子女や講義が英語で行われる国際教養学部の生徒から助言をもらうことで英訳の精度を上げているそうだ。
The WASEDA Guardianは取材を中心とした真面目な企画と学生らしいユーモアあふれる企画を、英語が苦手な人でもおもしろいと思えるように盛り込んでいる。9月末には最新号の配布が開始される。
今回は最新号の記事内容を一足先に公開しよう。
最新号では、「早稲田大学国際教養学部のMr.P」、「ネットストーカー」、「オカマバー」、「ブラック企業に潜入!?」、「あなたはどこに座りますか?」という5つの記事で構成される。
ネットストーカーのような社会派の企画、ブラック企業に潜入のような体を張った企画、あなたはどこに座りますか?といった実際に読まないとわからない企画など、様々な企画が目白押し。
配布は早稲田大学の昼休みを中心に行われる予定。
皆さんもぜひThe WASEDA Guardianに目を通してみてはいかがだろうか。
▲最新号の表紙。読者を知らない世界にどう導いてくれるのだろうか。
最新号の配布に関しては公式TwitterやFacebookを確認していただきたい。
ザ・ワセダ・ガーディアン
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取材・文/甲斐田涼賀