年間100万円の部費を支払うわけとは?~スキューバダイビングサークルの驚愕の裏側
「夏だけ?」「お金かかりそう?」 世間が抱いているスキューバダイビングサークルのイメージってこんなものでしょうか。オフシーズンはどんなことをしているかわからない人も多いと思います。
実は、大学で1、2を争うほど部費が高いサークルなんです!1年にかかる部費はなんと100万円以上、しかしお金持ちばかりのサークルではありません。
一体どんな生活を普段送り、どうやって部費を用意しているのか。スキューバダイビングサークル副幹事長の筆者が紹介します。
部費の総額年間100万円以上!! 高額になってしまうわけとは?
photo by PRO401(K) 2012
「ちゃんと活動している」とこれだけの金額になります。その内訳ですが、とにかく合宿費が高い!合宿回数は年に5~6回も。 そのうち2回は、2週間に及ぶ長期合宿!
長期合宿の行き先ですが、沖縄県の西表島や座間味諸島や世界遺産の小笠原諸島です。
西表島や座間味諸島は那覇からフェリー、小笠原章頭は数日に一度出る大きな船に乗り、25時間かけて行きます。その合宿費は、それぞれ20万円強!かなりの大出費……。
そのほかにも頻繁に行う小さな合宿。大島や八丈島などへ3~5泊で、4~6万円です。
また、7月と10月は、シーズンであるものの授業があるため、毎週日曜日に車で伊豆のポイントへ出かけます。1回1万円弱、これが毎週です。
ここまでの金額をおさらいしてみましょう。
長期合宿費(2回) 40万円+小合宿費(3回) 20万円+伊豆でのダイビング(8回) 8万円=68万円!
年に5~6回の合宿だけでも結構な額ですが、まだ100万円代には至りません。 値段が上がってしまう理由は、「オプション」です。
ダイビングは、潜れば潜るほど、その魅力に吸い込まれていきます。同じポイントでも、季節、天候、そしてタイミングによって別世界に。
出会う魚も、景色の青さも、湧きあがる感情も全く別のものに。だからこそ、もっと潜りたいと思ってしまいます。
もっとダイビングしたいと思うようになると、オーダーメイドのウェットスーツ6万円、高機能のマイ機材10~15万円、景色を永遠のものにする高画質水中カメラ10万円などに、手を伸ばしていくのです。
合宿費 68万円+ウエットスーツ 6万円+マイ機材 10~15万円+水中カメラ 10万円+プライベートのダイビング代 5~10万円=100万円超!
結果、気が付けば年に100万円程をサークルへ費やしてしまいます。このような言い方をすると、まるでダイビングが麻薬のようですね。
しかし、あの圧倒的で神秘的で刺激的な海の世界で、全身を駆け巡る衝撃と感動は、まさにプライスレス。このかけがえのない記憶は、永遠のものとなり、私たちの日常への活力を与えてくれています。
オフシーズンはバイト、バイト、バイト!
高まるダイビング欲とともに要される大金のために、私たちのオフシーズン(11月~2月)はバイト!! 練習の必要がないレジャースポーツのため、普段の活動はありません。授業後、飲みに行きたい気持ちをぐっと抑え、働きます!
飲食店や、コールセンター、塾講師など様々ですが、時給や出勤時間などにおいて好条件のアルバイトを探し、授業の合間をうまく利用してとにかく働きます。
photo by Roman Harak
筆者の場合、朝7時から15時まで商業施設でのアルバイトをし、そのあと飲食店での17時から24時のシフトに入り終電で帰る、という日を、週3で行ったり。
平日が授業で埋まってしまう理系の部員は、ホテルのパーティ会場を職場とし、土曜の朝に入り、休憩などをはさみながら日曜の夜10時まで働いたとか・・・。
朝に運送業で働いた後、授業に行き、そのあと塾講師をするという日々で20連勤をしたという人も・・・。
いくらダイビングのためとはいえ、やはり辛いです。
しかし、こうしてバイトで過酷なオフシーズンを送っているからこそ、久々にメンバーが揃い、ダイビングをしながら海の側でまったりと過ごす合宿の「非日常」が、夢のようで、濃密なものになるのです。まさに、島マジックです。
それがあるからこそ、私たちはスキューバダイビングを続けるのです。
文/村山海優