「輝かしい」実績はなくてもいい!凡人学生が複数内定を勝ち取るノウハウ
「自分だけは違う」と思っているあなたも、就活が始まったら嫌というほど感じるだろう。
似たような大学生が、この世には溢れかえっているという事実を。そして「俺は周りとは違う大学生だぜ」「私はちょっと特別な存在だもん」と思っているそこのあなたも、大学生のテンプレに当てはまっているということを!
今回は、人気就活本『凡人内定戦略』の著者である武野光さんにインタビュー。「就活のあれこれ」を訊いてきた。
今まで何百人もの就活生の相談にのってきたと言う武野さん。2月中旬に新刊『凡人内定完全マニュアル』を出版したばかりだ。
どんな学生でも読める、使える!『凡人内定完全マニュアル』
(画像はAmazonより。本書のAmazonページはこちら。)
「自己PRネタが無い凡人学生」が就活中、どのように動けばいいのかが書かれた就活本。
他の就活本と比べて圧倒的に読みやすい文体、読み物として笑いどころ満載の内容も特徴的だ。
『凡人内定完全マニュアル』は武野さん独自のメソッドを一般の学生3人が使って就活をする、という企画を元にしている。
武野さんのメソッドがどんな学生でも使えるものであることは、本書を読めばすぐにわかるだろう。
平日は社会人として働き、土日を執筆に当てる武野さん。かなりハードな生活に見えますが、本人は書くのが好きなので全然苦ではない様子。
武野さんは大学時代、サークルに所属せずバイトにも力を入れず、「一日中ニコニコ動画とハレンチ動画を観る生活」をしていたと言う。
そして就活をする時期は戦後最低レベルの就職氷河期。しかし、就活だけは本気で取り組んだ結果、複数内内定を勝ち取ることに成功した。
就活後はブログ「無能の就活。」を開設。たちまち人気ブログとして名をはせ、現在は就活本を4冊出版、トークイベントにも頻繁に参加している。
そもそも「凡人学生」って何?
武野さんの既刊『凡人内定戦略』と本のタイトルにも出てるとおり、武野さんの著書では「凡人」がキーワードになっている。
(画像はAmazonより。本書のAmazonページはこちら。)
そもそも学生における「凡人」とは何なのか、武野さんに質問した。
―武野さんの著書は「凡人学生がどう就活を乗り越えるか」というテーマになっていますよね。武野さんの思う「凡人学生」とはどんな学生ですか?
自分のことを凡人だと思っていて、「このままじゃやばいな」って思っている人のことです。
自分を過小評価しているので、「就活頑張んなきゃ」って思って僕の本とか読んでくださるんですよね。
その時点で、第一関門は越えてます。「頑張んなきゃ」って思えない人はいつまで経っても頑張らないですし。楽して内定がとれる方法はこの世にないので……。
―逆に、「凡人学生」ではない学生とはどんな学生を指しますか?
自分のこと優秀だと思ってる人です。実際に本当に「有能学生」と呼べる人は、5%もいないと思っていますが(笑)
たまに、在学中に公認会計士の資格とったり司法試験受かったりする人がいるじゃないですか。そういう人はその資格をもっている時点で相当なアドバンテージがあって、真の意味で優秀な学生です。
ただ、「学生団体やサークルのリーダーやってました」程度だったら、凡人学生とレベルは変わりません。なぜなら、内定に直結するような資格や実績ではないからです。
著者による勝手な「デキる」大学生のイメージ。(画像引用元はこちら)
サークルでの「輝かしい」実績は全然評価に入らない!
―そうなんですか?
「学生団体の代表やってました」とか、「サークル作りました」「学園祭の実行委員長でした」みたいなのって、それ自体は全っ然評価に入らないんですよね。
内定とれたとしても、その事実が理由なのではなく、その事実に基づいて話をして引き出された「その人の人間性、人柄の部分」が評価されているのであって、別にリーダーやっていること自体を評価しているわけではないんですよ。
サークルや学生団体って、会社の仕事と根本的に違うんです、お金は基本的に絡まないし。そこを見落としている人は実際に就活をしてみたら足元をスパーン!!ってすくわれますね。そういう人は山のように見てきました。
「人柄」さえアピールできれば優秀学生と同じ土俵に立てる
「サークルの実績は武器にならない」と聞いて心細くなった方もいるかもしれないが、諦めるのはまだ早い。
学生生活の大半を遊びのサークルに費やした学生も、サークルさえしていなかった学生も、「人柄」という突破口があるのだ。
―要は「人柄」ってことですか?
はい。就活で、優秀か優秀じゃないかはそこまで関係ないんですよね。だって、仕事をさせるために採用するわけですから、実際に働かせてみないと極論、仕事ができるかどうかはわからないじゃないですか。
仕事に直結するレベルでの資格や実績を持っている人以外は、例外なく「こいつ好きだな」って企業に思わせないと通過できないんですよね。当たり前といえば当たり前ですが。
(例)学生団体のリーダーを務めた学生A VS ゼミで平だった学生B
例えば、「丁寧な仕事をする人が求められる」企業があるとします。
学生Aは、とある学生団体のリーダーで、皆をまとめて団体を動かしている。学生Bはゼミの平メンバーだけど一生懸命で、すごく綿密に自分の研究を進めている。ここでAとBどっちを採用するかってなったとき、どっちが優秀かどうか判別できないわけじゃないですか。
そもそも、特に文系はやっていることの大半が仕事に関係してきません。
そうすると重要なのは「何をやらせても変わらない、その人の普遍的な物事に対する姿勢や考え方、取り組み方」なわけですよね。何度もいいますが、仕事をさせてみてないと仕事ができるかどうかはわからないわけで。
だから、僕の本では、「企業は人柄をベースに内定を出しているから、最初から自分の人柄を戦略にしていこう」って言ってるんです。
そこがかみ合えば、凡人学生でも、そこらへんにいる有能学生レベルだったら、ぜんぜん負けないんです。
そして評価される人柄って、そんなに幅のあるものでもないので、就活生として求められるものを提示できていれば、内定はかなりとれます。
日常生活から自分の「人柄」を見出す
自分の「人柄」なんてわからない!企業にアピールできるような良さなんて見つからない!と考える人もいるだろう。
新刊『凡人内定完全マニュアル』やブログ「無能の就活。」で、武野さんは「ぶらり日常探訪」を薦めている。
「ぶらり日常探訪」とは何か。それは、あなたの生活圏内(ゼミ、サークル、バイトなど)の中から「自分の普段の行動」を最低でも100個リストアップし、「そうせしめる信念や心の規律」を抽出することだ。
例えば、日常生活の行動をリストアップしてあなたが「遅刻を一度もしないように心がけてきた」ことに気づいたとしよう。
次に、あなたは
「一度も遅刻をしなかったのはなぜか?」
「遅刻をしなかったのは自分のため?人のため?」
「親に教育をされたから?その結果を自分はどう考えている?」
という具合に深く、具体的に「なぜ自分がこれまでそうしてきたのか」を考える。とにかく「なぜ?」をひたすら繰り返す作業だ。
その理由こそがあなたの「信念」や「心の規律」なのであり、他の就活生とは絶対に被らない個性となる。
日頃の生活から、ひたすら自分の行動を挙げ、その理由を考えることが自分の「人柄」を見出す近道となるのだ。
「企業側は面接をしているとき、その就活生がどんな感じで仕事をするかな、とか、後輩になったらどうなるかな、といったことを想像して合否を決めます。ていうかそれしかしていません」と、武野さんは言う。
TOEICの点数やサークルの活動内容といった「実績」自体のアピールは、その人の「人柄」が見えてこない。それを自己PRに使おうとすると、必ず『資格の説明』をすることになる。
対して上の例は学生生活で大きな功績を残していなくても、その人がどういった人間なのかが十二分に伝わるアピールになっている。つまり、企業側が「仕事をさせたらどうなるか」「後輩にしたらどうなるか」の想像がしやすく、内定を出しやすいわけだ。
サークルでの実績に焦点を当てている就活生がいたら、自分の「人柄」がはっきりとわかる文章になっているか見直した方がいいのかもしれない。
次回の<武野さんインタビュー第2弾>では、就活生が持っていると心強い6つのポイントを紹介する。
■関連リンク
・武野さんの人気就活本『凡人内定戦略』を取り上げた記事はこちら。
「自己PRネタがなくても内定が取れる就活本?!『凡人内定戦略』がすごい!」
・武野さんの人気ブログ「無能の就活」。はこちら。
・武野さんの『凡人内定完全マニュアル』のAmazonページはこちら。
・武野さんの『凡人内定戦略』のAmazonページはこちら。