いくつ当てはまる?就活で「YES」にしたい6つの「NO」 <武野さんインタビュー第2弾>
3月1日にナビサイトがオープンし、就活でざわつく季節。
写真の男性は人気就活本『凡人内定戦略』著者で、新刊「凡人内定完全マニュアル」を出版した武野光さん。彼はブログ「無能の就活。」や講演会で何百人もの大学生の就活相談にのってきた。
そんな『凡人学生の複数内定理論』のパイオニア武野さんに、「就活のあれこれ」を訊いてきた。今回はインタビュー第2弾。(第1弾はこちら)
―今まで何人もの凡人学生を見てきたかと思いますが、ざっくりとタイプ別に分けることはできますか?
就活生って言っても本当に色んな人がいますからね……。
タイプ別というか、「自分がどれだけ就活頑張らなきゃいけないか」判断する基準みたいなものはありますね。ちょっと書いてみますね。
そう言いながら書き始めた武野さん。
あなたはいくつ「NO」が当てはまる?就活頑張れ度チェック
①あなたは高学歴?
これは当然、高学歴の方が有利に働きますよね。たまに「関係ない!」とか言う論者の人もいるんですけど、めちゃくちゃ関係あります。
とはいえ、これも努力次第で結果にはそうとう幅ができますし、1ランク上の大学の就活生くらいだったらぜんぜん射程圏内です。
大事なのは「いま自分がどれくらいのレベルでいて、どれくらい頑張らないといけないか」です。
②一般的に「有利」だと言われているモノをもっているか?
TOEIC900点以上とか、体育会系に所属して優秀とか。他にも一般人レベルを超えている資格や実績をもっている、周囲にそうそういない人です。
これはもう明らかに有利ですね。このレベルまでくると、履歴書やエントリーシートの時点で優遇されていてもおかしくないです。
③自己PRに一般的な就活生が使うネタをもっているか?
例)バイト、ゼミ、サークルなど
ここで3つとも「NO」がつくと凡人学生レベルとしてはかなり良い感じですね。
僕が就活生だったときとほとんど同じ状態だと思います!
④自分でちゃんと考えて自発的に行動できるか?
大事なのはここからなんですよね。自分のことを凡人学生だと思っている人は多いですが、その中でも成功を収める人と失敗する人の違いです。
結局、就活って「みんなで一斉にスタートするもの」なので、基本的には未経験の素人しかいないんですよね。
だからこそ、自分で考えて行動できる、っていうのが、かなりの強みになります。他の人よりも経験値を貯めやすいということです。
このあたりは「凡人内定完全マニュアル」にもがっつり書いていて、凡人学生が就活で成功を収めるにあたっては、重要度はかなり高いです。
⑤死ぬほど頑張れるかどうか?
根性論をいうつもりはないんですが、「とにかくやれるだけやる」っていう発想ができる人は凡人学生でも強いです。上記したのと同じように人よりも経験値を積むのが早いからです。
しかも物量もこなすことができます。
一発あたればいいわけなんで、基本的には凡人学生は「数を撃ってなんぼ」なんです。そのなかで内定をもらった最も入社したいと思う企業に入るのが、ベストな方法です。
⑥何か自分にだけしかない行動原理、信念があるか?
例えば、「遅刻だけは絶対しない」とか、「掃除は絶対きっちりする」とか。バイトだろうが、友達付き合いだろうが、それは自分の行動原理だから話す内容をいくらでも膨らますことができるんですよね。これをもっている人は間違いなく強いです。
これが僕の『凡人内定戦略』で紹介した「人間性自己PR」のもとになるものです。
凡人学生はこれで闘っていくしかないですし、むしろ凡人学生のエントリーシートや面接での武器としては、これ以外に有効なものが僕には想像できないです。
最強の自己PR方法だと思っています。『凡人内定完全マニュアル』ではそれを作る方法も、ちゃんと紹介しています。
あなたはいくつ「NO」がありましたか?
正直、この6つのうち重要なのは最後に挙げた3つですね。
最初の3つは気付いたときにはどうにもならないので、就活が近い人はもう回収できません。
その状況でも何とかすることを目指すのが、凡人学生としてあるべき姿だと思います。
―ちなみに①②③は完璧で、④⑤⑥をもっていない人はどうなるでしょうか。
最初の3つだけもっている人は、「自分が優秀」だと思ってしまいがちなんですね。自分のもってるステータスで就活なんとかなると思っちゃうんですよね。
もちろんそういう人もいます。
でも、就活生50万人~60万人くらいの人のなかで、本当にステータスだけで内定がとれる人は5%未満だと思います。
就活ってほんと自分の思う通りにいかないんですよ。世の中って自分が思っているよりもすごい人がいっぱいいるんで、自分を有能学生だと思って余裕をかまして就活をしたらボコボコにされたっていう人は何人も見てきています。
できるだけ謙虚な姿勢で行った方がいいと思います。謙虚というのは、努力する準備をしっかりしておく、という意味です。
話に熱が入りすぎて唐突にこんなポーズをしてしまう武野さん。
―武野さんのお話を聞いていると、資格ってそこまで重要じゃないと思えるのですが。
資格はどうしても相対評価になってしまうんですよね。自分より良い資格もってる人いたら即時、負けます。
例えば、簿記2級をグループ面接でアピールした就活生が、たまたま同じグループで簿記1級の人と一緒になったら即、勝負がついてしまうじゃないですか。
資格をもっていたとしても、その資格の説明をするのは時間とかスペースの無駄です。そういうのは履歴書を読めば項目があるので、そこでわかります。
むしろ、「その資格をとるためにどんな努力をしたのか」「資格を得ることで次に何をしたいのか」を話さなきゃいけないんです。それが資格の説明ではなくて、人柄を説明するということです。
資格なんて仕事に関係しないものも多いですし、どこでどう使うかは企業側が判断することなんで、就活生側の「私はこんなことができます!こんなに優秀です!」という説明はだいたいピントがずれているんですよね。
「どんな凡人学生でも「読んどいてよかった」と思ってもらえる方法論にできたと思います」
これまで武野さんから自己アピールの方法や、就活で注意すべきポイントを聞いてきたが、この内容をもっと深く掘り下げた本が2月中旬に発売された。タイトルは『凡人内定完全マニュアル』。
―武野さんは、先週『凡人内定完全マニュアル』という新刊を出版しましたね。
はい。他の就活本とぜひ読み比べてほしいです。
僕も就活本はかなり読みましたけれど、たいてい「ふつうの学生」がどうしたらいいかっていうことにフォーカスしている就活本って無いんですよね。
対して僕の本は「凡人学生がどうやって複数内定をとるか」、ということに特化して書いています。
必ず半年後に「読んどいてよかった」と言ってもらえると思います。
―今回出版される『凡人内定完全マニュアル』は、武野さんの既刊と、どのように違うのでしょうか?
新刊と、既刊シリーズ『凡人内定戦略』『凡人面接戦略』は別物だと考えてもらった方がいいです。
特に『凡人内定戦略』は僕の体験ベースで書いてあるんですよね。当時僕は22歳だったんですけど、それくらい年で就活本を書いた人は少ないので、リアルな感じに重点をおけた意味で、『凡人内定戦略』は価値があると思っています。
だけどこれに関しては「本出してる時点でお前、凡人じゃなくね?」って言われることが多くて。そこで、僕以外の人に同じ方法をやってもらって本当にどんな凡人学生でも複数内定がとれるのか検証しよう、という企画が『凡人内定完全マニュアル』という本になったんです。
ブログで募集した凡人学生3人に、僕の方法で就活をやってもらっているんです。僕はあくまでアドバイザー的な立ち位置です。
目標は3人で内定15個だったんですが、結果的には16社の内定がとれました。
しかも大量採用などではない、業界大手の内定をみんな1つか2つはちゃんと取りました。フラットに見て、みんな優良企業に行けたと思います。
就活はあなたが気づいたときからがスタート
―最後に、この記事を読んでいる就活生4年生に一言お願いします。
可能であれば、早めに買って読んでもらえたら嬉しいです。就活は時期がかなり限定されているので、早めに必要なことをやっておかないと手遅れになるからです。
でも、ブログやWEB記事も書いているので、そちらを見て、本も読みたいと思ってもらえたらでいいので(笑)
―では、この記事を読んでいる、就活を1年以上先に控えた1-3年生に一言お願いします。
就活に、決まったスタートってないんですよね。
ナビサイトがオープンしてから開始!ってわけではないので、「必要だと思うタイミングで就活を始めてください。」
ただ、周りに合わせてたら確実に出遅れてます。僕は、7割の人は出遅れていると思います。残りの3割の人はそもそも優秀なスペックの人という傾向があって、優秀な上に先に越されてたら勝ち目ないじゃないですか。
だから早めに情報をとることから、始めてほしいですね。
「多くの人にとって就活は最初に自分が思った通りには絶対にいかない」。数多くの就活経験を積んだ武野さんが言うのだから、この言葉に間違いはないだろう。
できるだけ早いうちに、自分がどんなことで勝負できるのかを考えてみるべきだ。
インタビューにご協力いただいた武野さん、ありがとうございました。
文/城見島ほのか