世界の本屋~昔ながらの建物と雰囲気!台湾編
先日の台湾南部地震(206地震)で被害に遭われた方へお見舞いとご冥福を心よりお祈りします。
多くの日本人が観光に訪れる台湾。春休みは卒業旅行で訪れる大学生も多いようです。観光地や夜市を回る旅もいいですが、観光の合間に書店に立ち寄ってみてはいかがですか?
台湾の書店は古い建物を生かした店舗が目立ちます。今回はその中でも観光地に近くて特色のある5店を紹介します。
大人気小龍包店の隣にある大型書店!
最初に訪れたのは、台北(台湾最大の都市)の人気小龍包店「鼎泰豊」のお隣にある金石堂書店。この「鼎泰豊」、お昼時は1時間半~2時間待たされます。この書店は、待ち時間の暇つぶしに最適です。
中に入ると、思わず壁の内装に目がいきます。棚や壁が全て木でできていて、落ち着いた雰囲気です。
注目したいのは、階段の踊り場。踊り場にはポストカードや手のひらサイズの地図が!デザインがおしゃれで、台湾語がわからない人でも思わず手に取りたくなることでしょう。
小学校の前にある学生向け書店! 店内には大人向けの漫画も……!?
次は、先ほど紹介した書店から徒歩約1分のところにある「永業書店」。小学校の向かいにあり、店の入り口には多くのガチャガチャが。昔からある飲食店の周辺にあり、この書店も雰囲気が出ています。
店内は小学校が近いということもあってか、学習参考書が目立ちます。英漢辞書だけでこの種類。店内は1階と地下1階の2階構造でこぢんまりとしていますが、学習参考書は多くの種類があります。
当然学生の利用が多いのかと思いきや……大人の利用もそれなりにあるようです。棚の一番上には成人指定の漫画が置かれていました。
デザイン本が豊富な隠れ家書店
今度も同じく台北から。「好樣本事 VVG Something」は、デパートなどや商業ビルが立ち並ぶ表通りから裏通りに入り、路地を抜けると現れます。赤い扉が目印ですが、路地が複雑に入りくんでいたり、観葉植物が植えられていたりして少しわかりづらいです。隠れ家的書店ですが、アメリカの情報サイトFlavorwire.comが2012年に発表した「世界で最も美しい書店20」に選ばれるほどの名店です。
店内は真ん中にテーブルがあり、多くの本が積み上げられています。おもしろいのは、売っているのが本だけでなくアンティーク雑貨やアクセサリー、さらには食器まで扱っている点。本を取り囲むように雑貨が置かれており、店内も落ち着いた雰囲気です。
店で扱っている本は台湾や中国の本だけではありません。英語の本や日本語の本も目立ちます。外国の本だからと言ってやみくもに集めているわけではなく、デザインや旅行、内装とテーマが絞られています。おしゃれな店内ではお気に入りの本が見つかるかも!
中古書店に貼られた謎の貼り紙?
ここまで台北の書店を紹介してきましたが、地方都市にも行ってみましょう。台湾南部の台南にある「奇美舊書店」は中古本の書店。台南など南部の書店では、中古を表す「二手」という文字が多く見られます。
店の本棚にはたくさんの漫画が!台湾でも日本の漫画が人気のようで、きれいに並べてあります。全て台湾語で書かれていますが、どれがどの漫画か皆さんはわかりますか?
ところで、店のいたるところにこんな貼り紙が貼ってあります。直訳すると「撮影中笑ってください」という意味になりますが、一体何を表しているのでしょう?
正解は「防犯カメラで監視中」という意味。カメラで撮影しているけど、気にしないで笑ってくださいということのようです。日本の注意書きよりも威圧感がなく、ユニークな感じがしますね。
日本統治時代のビル内にある「文化」がテーマの書店!
最後に紹介するのは、台南の新しい観光地となりつつある林百貨の中にあります。この建物は日本統治時代の1932年に完成し、元々ハヤシ百貨店という名前で営業していたデパートでした。戦後に閉店し、その後空きビルに。しかし、2014年になって新たな商業施設として生まれ変わりました。当時最先端の流行を取り入れた建物はとてもレトロチックです。
建物の中は様々な店があります。1階はお土産店、2~3階は雑貨、4階に上がるとカフェと展示スペースのフロアになります。その一角にあるのが書店です。扱っている書籍は、台湾、台南、旅行、生活とテーマが絞られていてとても個性的です。
旅行書の中には日本を舞台としたものも。東京だけでなく、京都や奈良に関する本が目立ちます。ただのガイドブックではなく、街や街の文化を取り上げた本が扱われていて、興味が沸くものばかりです!
台湾の書店は本当におしゃれ!観光に疲れたら書店でゆっくりお気に入りの一冊を探してみてはいかがでしょうか?
文・写真/貝殻良太
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