美しくも残酷な大自然が舞台!映画『レヴェナント』3つの注目ポイント
4月22日(金)に日本で公開されたレオナルド・ディカプリオ主演の映画『レヴェナント:蘇えりし者』。
第88回アカデミー賞で主演男優賞、監督賞、撮影賞の3部門を受賞した話題作だ。
※画像は公式HPのスクリーンショットです。
監督は『バベル(2006年)』『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(2014年)』で有名なアレハンドロ・G・イニャリトゥ。
映画の中には、映画館の大スクリーンで観た方が心揺さぶられる作品があるが、『レヴェナント』は間違いなくこれに当てはまるだろう。
今回は、「まだ観てない!」という方に本作で注目すべき3つのポイントを紹介する。
その前に!簡単なあらすじ
※画像は公式HPのスクリーンショットです。
舞台は1823年、アメリカの西部開拓時代。
主人公ヒュー・グラスは仲間を率いて狩猟の旅をしている途中に、クマに襲われて重傷を負う。ケガで身動きが取れない中、森の中で置き去りに。さらに彼を助けようとした息子が仲間に殺される。グラスは復讐を誓って仲間に追いつこうとするのだが……。
注目①:美しい自然!……からの残酷な展開
本作の舞台はアメリカ北西部の大自然。
森、山、滝、降り注ぐ朝日……その圧倒的な大自然に注目だ。
しかし、自然は人を癒すと同時に突き放す。
凍った葉が朝の光をうけて輝く……そんな美しいシーンから数分しないうちに、主人公に残酷な現実が降りかかるのだ。
※画像は公式HPのスクリーンショットです。
いくら主人公が現実に絶望しても、雨や雪は無慈悲に降りかかる。ときには川の流れに飲み込まれそうにもなる。
本作を映画館で観た方がいい理由はこれだ。大スクリーンに映し出される美しくも残酷な自然は、観る者に大きな印象を与える。
注目:②主人公が食べるモノに注目
※画像はイメージです。Photo by Greg Bolton
重傷を負った主人公は仲間に置きざりにされる際、持っていたライフルも全て奪われてしまう。
完全に丸腰の状態で取り残された主人公が、生き延びるために地を這いながら食べるものに注目してほしい。
「こんなの食べてお腹壊さないかな……」と心配にならざるを得ない。
一方、主人公を置き去りにした仲間達が食事をしているシーンもある。
彼らは狩ったイノシシを焚火でしっかり焼いて食べるのだが、主人公の食事っぷりを観た後にこのシーンを観ると、生臭そうなイノシシ肉がとてつもないご馳走に見えてくるのだ。
注目:③見え隠れする「家族」の存在
主人公に限らず、本作では殆ど全てのキャラクターがどこかのシーンで自分の「家族」の存在をちらつかせている点に注目してほしい。主人公を襲うクマにさえも、子グマがいる描写がある。
※画像は公式HPからのスクリーンショットです。
家族を求めてがむしゃらに大自然を進む者、笑い話のタネにする者、すっかり顔を思い出せなくなってしまった者。
彼らが抱くそれぞれの家族への思いを比較するのも面白い。
また、作中の彼らは全員「家族」と切り離されている状態だ。
冒頭では父である主人公と息子の関係性が濃密に描かれるが、早々に息子が死んでからは映像による「家族」の描写が一切なくなる。
各キャラクターの言葉の端々に「家族」の存在が確認できるだけで、それが余計に観る者の想像を膨らませるのだ。
第88回アカデミー賞で大きな話題を呼んだ映画『レヴェナント:蘇えりし者』。
152分にもわたる本作が扱う内容は暗く重たいのだが、実際に200年前にあった出来事をベースにしているのだから、歴史を知る意味でも一見の価値はある。
ぜひ映画館へ足を運んでみてほしい作品だ。
文/城見島ほのか