世界の本屋~ベトナム戦争の名残と文化の発展 ベトナム編
近年、観光地として人気が出ているベトナム。かつての史跡や文化に想いを馳せる人も少なくないようです。
街の書店を覗くと、ベトナム戦争の名残や終戦後に発展した文化が見られます。
今回はベトナムの書店で見られる、文化や歴史の注目ポイントをご紹介します。
どんな書店にもある!英雄の肖像画と書籍
店内にはベトナム建国の父と言われるホー・チ・ミンの肖像画(写真左)が飾られています。
右の肖像画は、ベトナム戦争で活躍したボー・グエン・ザップ将軍。
ベトナム建国の英雄に関する肖像画や書籍は、ベトナムならどこの書店にもあるようです。
ラオス編では、ベトナムの隣国であるラオスの書店でも政府幹部のポスターが貼ってあるとご紹介しましたが、ベトナムでも同じ傾向があるようです。
ベトナムも共産主義を謳ったベトナム共産党の一党独裁支配のため、政府の書物がどこの書店でも見られます。
種類が増えている英語のテキスト
ある書店ではTOEFLの参考書がたくさん見つかりました。ベトナム戦争後、ベトナムがアメリカと国交を回復したのは1995年。英語が国内に出回るようになってから歴史が浅いからか、ベトナムは英語が通じない場所も多いです。
しかし、最近では外国人旅行客が増えたためか英語を勉強する人が増加しています。
ベトナム語で書かれた英会話のテキストも多く発行されています。表紙はイギリス人やアメリカ人の子供が笑っている写真や観光地の写真が使われていて、どこか日本の中学校の教科書みたいです。
根強い人気がある日本のマンガ
ベトナムの書店で豊富な品揃えを誇っていたのが日本のマンガ。ベトナムや他国のマンガに紛れて根強い人気があります。『ドラえもん』は「てんとう虫コミックス」を始め、カラー版、ドラえもんプラスなど近年発行されたものも多く見つかりました。
ベトナム人から特に人気があるのは『クレヨンしんちゃん』。
公園で読んでいたら地元のかわいい女の子に話しかけられました。主人公のしんのすけはベトナムでは「シン」と呼ばれているようです。
発展が目覚ましく、観光客も増えているベトナム。文化の発展は街だけでなく書店にも訪れているようです。
文・写真/貝殻良太
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