非リア男子のダサダサな服装を原宿で変えてみた!
いくつものアパレルショップが並ぶ街、原宿。
6月の陽光の下、1人の男子学生が原宿駅に降り立った。
……お世辞にもオシャレとは言えない恰好だ。男子学生の名はK。彼は20年間彼女がいない。本人曰く、「異性の友人が少ないから、女子受けする服装がわからない」とのこと。
Kは服装について突っ込まれるとすぐ言い訳をする。
「若者の街」原宿なら、生まれてこの方ファッションに興味をもたなかったKもそれなりに垢抜けるのではないだろうか?
制限時間は3時間、Kの予算は2万円。
Kの買い物に、Gaku-yomu編集部の女子も同行した。
初期装備
その前に、男子学生Kが家から着てきた服装を確認しよう。
・ヨレヨレのチェックシャツ(推定1500円以下、スーパーで購入)
・腹部に白いシミのある紺のTシャツ(推定500円、スーパーで購入)
・だぼっとしたズボン(推定1000円、スーパーで購入)
・黒いスニーカー(もらい物。高校から履いてて年季が入っており、穴が開いている)
・満員電車のサラリーマンが持ってそうな黒いバッグ(某スーツ洋品店で購入)
・黒いパソコン入れ
圧倒的スーパーでの購入率。「しま〇ら」もびっくりなお値段だ。
女子の反応
・なんかTシャツの首しまってる
・なんか全体的な色合いが暗い(季節的になんか暑そう)
・足細いのにだぼっとしたズボン履いてるの、もったいない
・バッグが服装と合っていない。
・ダサい
予想通り、女子受けはあまり良くないようだ。
―なんで原宿まで来てこんな重いバッグを持ってきたんですか?
K:なんか、この後、パソコンで作業しようと思って……いつもこのくらい持ち歩いちゃうんだよねえ
―歩き方がフラフラしてるじゃないですか!
K:……そう?真っすぐ歩いてるつもりなんだけど……
Kの平衡感覚に問題があるのはさておき、さっそく1店目に行ってみよう。
外国系アパレル店で夏らしい服を
1店目は、原宿駅から徒歩10分ほど離れた外国系のアパレル店。
男子学生Kの初期装備に対する意見の中でも目立った一言、それは
「なんか全体的な色合いが暗い(季節的になんか暑そう)」
だった。
たしかに、気分が高揚するような夏日、隣りを歩いている異性が暗~い色合いの服を着ていたら、それだけでテンションが下がる。
と、いうことで、夏っぽい爽やかな色合いのシャツ(¥4990)とジーンズ(¥3990)を着てもらった。
女子の反応
・爽やかになった!!
・足が細いからやっぱりピッタリしたズボンが似合う。なぜ今までダボッとしたズボンばかり履いていたのか
・もったいない、宝の持ち腐れ
・いよいよTシャツのシミが目立つ
・着替えに時間かかりすぎてない?
・早くスニーカーも変えよう
なかなかの好評価!Kは元々スタイルが良いからか、外国の細身モデルのために作られたようなジーンズも難なく履きこなせている。
白いシャツもさすが新品、パリッとしていて形もいい。年季が入ったチェックシャツとはえらい違いだ。
―どうですか、上と下を一新してみて。
K:うん、まあ、いいと思う。
少し嬉しそうな表情を見せた!これはなかなか良い滑り出しだ。
さらば!4年以上履いたスニーカー
続いて向かった先は、ジーンズで有名な外国ブランド。
―ここで靴を変えちゃいましょう!どんな色のものを買いたいですか?
K:え、黒とか?
―もう少し爽やかな色で行きましょう!
K:じゃあ青なら……
と、いうことで
試し履き。
―おお、似合ってますよ!
K:(店員に)……これ他のサイズあります?
その後15分ほど検討して、購入を決意。
それにしても、この初期装備のスニーカーと新スニーカーの比較画像を見てほしい。その差はまさに月とすっぽんのごとく大きい。
「4年以上履いてる」と言った瞬間、さすがの店員さんも苦笑いしていた
さあ、スニーカーも一新した彼の全体像を見てみよう。
女子の反応
・バッグの場違い感ぱない(笑)
・どこぞのモデルだ
・シミのついたシャツさえも気にならなくなってきた
・スニーカー良い。大切に使ってほしい。
最初の辛辣な反応からだいぶ柔和な態度へと変わっている。いよいよバッグを買う必要があるようだ。
最終段階:バッグ選び
少し歩いて、竹下通り近くの男性向け雑貨屋に入る。
―最後はバッグですね!
K:うむ。
―リュックはオタク臭くなるので辞めましょう。
K:うむ。
―大学生らしく、トートバッグは?
K:あれは嫌い。
―なぜ?
K:仕切りがないから。
男子学生K、そう話しながらも1つのバッグを手に取る。
K:これいいかも。荷物多い身としてはこれくらい大きい方が助かる。
K:仕切りはないけど、ポケットも沢山あるみたいだし、これにしようかな。
最初に比べてだいぶ大学生らしくなった……!(泣)
そんなささやかな感動を覚えながら、うなずく編集部の女子陣。
最終的に、Kの装備は以下のようになった。
・パリッとした白シャツ(¥4990)
・(腹部に白いシミのある)紺のTシャツ(推定500円、スーパーで購入)
・細身のジーンズ(¥3990)
・青いスニーカー(¥5940)
・ベージュの大きめバッグ(¥5097)
女子の反応
・こういう大学生いる!!!
・キャンパスで歩いてる
・後姿いい
・色が夏っぽくて服装に合ってる。でも春秋冬も使えそう
・雨が降っても大丈夫な素材を選んだのいいね
・外見だけではなく内面も磨く努力を
まとめ
もう一度振り返ってみよう。
ショッピング前
ショッピング後
まるで別人だ。
やはりさすが「若者の街」、人生で一度もファッションに興味をもたなかった男を3時間で好青年に変えるとは!
しかし、課題も少し残った。
結局シミのついたTシャツに代わるようなものは買えなかったし、Kが付けていた無骨な腕時計も一新したかったのが正直なところ。
ちょっとした控えめなブレスレットだったら付けてもよかったかもしれない。
今後、Kのファッションに対する意識が向上するかどうかは、完全に本人の努力次第だ。
Kの動向が気になる編集部の女子であった。
文/城見島ほのか
写真/狐兎