東京理科大学の留年生が語る「進級するコツ」
※この記事は東京理科大学新聞451号の転載です。
東京理科大学の代名詞でもある「留年」。他大生でも単位認定が厳しいと噂を聞いたことがある人は多いのではないだろうか。今回は理科大の洗礼を受けて、不幸にも留年してしまったAさんにインタビューを行なった。
-なぜ留年してしまったのですか。
私の場合は進級に必要な単位を落としてしまったので留年しました。弁明のしようもないです。
理科大生を苦しめる「関門科目」の存在
-理科大には関門科目がありますからね。
はい。他大学と違うのが、この関門科目という制度で、指定必修科目の授業の中から一定数落とすと進級できません。私の学科では、指定必修科目が5つで、その内の2つを落とすと留年でした。私は2つ落として見事に留年が確定してしまいました。
-どのような科目の単位を落としたのですか。
系統でいうと物理、微分積分、線形代数をそれぞれ1つ落としましたが、線形代数については再試で単位が取れました。
-「再試」とは何ですか。
ラストチャンス、これに尽きます。理科大では普段の成績はS、A、B、C、D、-、の6種類に分けられます。S~Cまでは「授業の内容が理解できている」とみなされ、単位が取れます。しかしDは理解できていないとされ、単位の取得ができません。
-については評定不能とされ、受講生の到達度がその授業で測れないことを意味します。授業に出席すらしていないと-の烙印を押されてしまいます。
普通なら、単位を落とした場合は翌年、再履修や他の自分に合った授業に変えます。しかし、指定必修科目は留年に関わるため、「泣きの一回」が用意されています。再試を受けるときの、あの切羽詰まった雰囲気は忘れられません。
-つまり、再試で指定数以上落としたら留年ということですね。
そうです。再試の結果が出るまでの1、2週間は心が休まりませんでした。
-Aさんの場合、ラストチャンスの再試でも取れなかったということですか。
そういうことです。
留年生の生活……
-留年が決まった時の感想を教えてください。
「あーやってしまった」という後悔がまず先に来ましたね。その後、理科大に入って一番「理科大生」になった実感が沸きました。
-原級生(留年生)としての1年間はどうでしたか。
2年生の授業が一部取れるのですが、取りませんでした。それに引っ張られて、落とした科目の単位を取れなくては意味がないと思い、取らなかったというのは建前で、実際には楽をしたかったので取りませんでした。取っておけば2年生になれたときにストレートで進級している人よりも楽はできると思います。
-あの……ちなみに今年は……?
進級できました!
-おめでとうございます。
ありがとうございます。
(写真提供:東京理科大学新聞会)
-無事に新入生が同級生ではなく後輩になれたということで、後輩へのメッセージをお願いします。
そもそも、真面目に授業を受けていれば、単位を落とすことはそうそうありません。他にも留年した人を知っていますが、大体授業に出なかったり、テスト前に勉強をしなかったりと様々な原因があります。
「ちょっとこの単位落としそうだな」と思ったときがチャンスです。その時点で何かをすべきです。ちゃんと進級して、理科大の留年はネタで話すくらいにしてください。
もし私と同じように留年してしまっても、1回で済ませましょう。ちなみに同学年は3回までしか在籍できません。これまでのようなことを留意しつつ、勉学と遊びを両立した豊かな大学生活を楽しんでください。
(東京理科大学新聞451号に掲載された各学部の留年率のデータの平均)
「1回で済ませましょう」この言葉から、理科大の厳しさが伝わってくる。何度も留年してしまう人がいるのだろう。理科大の留年は他大とは一線を画するものがあるのかもしれない。
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