こんなブラック企業には気をつけろ!早大に27歳で入学した元ブラック企業の歯車の実体験によるおかしな会社の見分け方
(Photo by Steven Mileham)
4月を迎え、就職戦線も活気づいてきました。既に内定が出た人もいる中で、未だに決まらずに焦っている方々も大勢いるでしょう。
しかし、そこでどこでもいいやと安易に職業を選ぶのは良くありません。
この記事では、関西の中堅大学在学中に就職活動に失敗し、ブラック企業で2年半働き退職した後、2年半の受験勉強を経て、早稲田大学に27歳で入学した筆者の経験から危ない企業の見分け方をお伝えします。
ポイント1:親族経営の中小企業
(Photo by Tammi Hetherington)
要職のほとんどが親族で固められるため、金銭の管理にルーズな可能性があります。
社名と社長の苗字が同じならば警戒すべきでしょう。筆者の企業では、毎月強制的に徴収されていた旅行費用が、旅行自体が中止になっても返ってこなかったり、確定申告の控除金が額面の半分しか戻ってこなかったりする事例がありました。
身内は可愛いものです。行き過ぎてついつい自分勝手になってしまうのでしょう。
ポイント2:商品の単価が安い
(Photo by Juan Manuel Caicedo Car…)
筆者は風邪薬や胃腸薬など、1000円前後の、単価が安い置き薬の営業をしていたのですが、1日のノルマである13軒を訪問しても、大半の社員は2万円ほどしか回収できませんでした。
こんな状況では、会社を回すことさえ至難の業です。給与の未払いにつながるかもしれません。実際に筆者の企業では、月に23日前後働いて6~7万円程しか貰えない社員が大勢いました。
例えば、安価で商品を提供している飲食店は、給料が安いブラック企業として有名なところが多いです。商品やサービスの対価である代金が、どこに回っているかも考える必要がありますね。
ポイント3:周囲にあまり他の仕事がない環境
(Photo by Eduaro Fonseca Arraes)
筆者はのどかな田舎で生まれ育ち、地元で就職しました。夜中になれば山から鹿が道路に下りてくることもありました。自然に囲まれているので空気はおいしいですが、こうした環境では求人は多くありません。
筆者の企業では、40歳を超えた社員の大半は、退職しても再就職が絶望的なことから、賃金を払わなくてもいいやと企業側に思われたため、未払い賃金の金額が増え続け、100万円単位で残っていました。
もちろん、会社の横暴に耐えかねて辞めた社員もいました。ですが、正社員での再雇用は難しく、なんとか再就職できても、きつい介護職や肉体労働で生計を立てる方が多かったように思います。
筆者が大学に入り直したのも、このままでは将来不幸になるといった不安を抱えていたからですしね。
ポイント4:社員の高齢化が著しい
(Photo by naixn)
採用を渋っているわけでもないのに若年層が集まらない企業は、何かしらの原因があって若い人に逃げられている可能性があります。
志望企業の要職者のブログを見つけたら見てみましょう。そこで集合写真が挙げられていたら、社員の年齢層を確認しましょう。年配の方が多ければ怪しいので止めたほうがいいかもしれません。
可能ならば、過去の集合写真とも比較し、人員の増減を確かめましょう。
(Photo by SouthernWI)
私の勤めていたブラック企業では、先行きのない環境に精神を病んだり、理不尽に給料を正規額から減らそうとする会社と衝突したりして辞めた人が多かったですね。
人員の増減が激しいということは、辞める人が多いということです。会社は辞めた人の穴を埋める人員を早急に採用しなければならないので、手間のかかる筆記試験や多数回の面接を省かざるを得なくなり、その結果常識や能力のある社員が集まりにくくなります。
ポイント5:業界が右肩下がり
(Photo by jiejun tan)
筆者のいた置き薬業界は、ドラッグストアの増加、インターネットでの医薬品販売開始、主要な客層である高齢者の年金受給額の減少により、年々厳しくなっていました。
入ったばかりの企業で業績改善の見込みがなければ、将来不安ですよね。時代の趨勢を読む能力も必要でしょう。
安泰と呼ばれている大企業も、30年経てばどうなるか分かりません。近年は機械に仕事が取られている職種もあり、イメージだけで職業を選ぶと痛い目を見るかもしれません。成長中の中小企業を自分なりに研究して探し出すのが面白いかもしれませんね。
就活生へメッセージ!
(Photo by Jonathan Mueller)
以上の5点が、筆者が皆さんにお伝えできることです。焦らずにじっくり企業研究してください。とはいえ、早く内定が欲しい気持ちは分かります。筆者も10月の後半までは1つも内定が貰えずに焦っていました。
内定がなくても、自分の人生が否定されるわけではないと思います。先が見えず、若者の前途が暗い時代になりました。無職やニートだと世間から白い眼で見られると思うかもしれません。しかし、こんな時代だからこそ20代の数年くらいは自分の人生についてじっくり考える時間があってもいいのではないかと筆者は考えております。このような無軌道な人生を送る者もいるんだな、ということを心の片隅に留めておいて頂ければ幸いです。
辛いですが、是非妥協せずに就職活動に取り組んで、志望企業の内定を勝ち取ってください。
文/浜石用語