学生が支える学生野球!「東京六大学野球ゼミナール」にインタビュー!
(photo by Yuichi Watanabe)
春爛漫、新学期を迎え、新たな環境で新たな出会いをする時期になった。アルバイトに授業にサークルに、目に映る全てのことに胸を躍らせる新入生も多いだろう。
時を同じくして、4月13日から明治神宮野球場で東京六大学野球が開幕する。大学入学と時期が被ることから、多くのサークルが新入生歓迎のイベントとして観戦会を計画しているのではないだろうか。そこで、今回は学生野球を支える縁の下の力持ち、「東京六大学野球ゼミナール」の長谷川 俊人さんにインタビューを実施した。
「東京六大学野球ゼミナール」は、東京六大学野球活性化策の企画・実践をメインテーマとして活動している団体である。
「講義」と、「神宮での活動」という“2つの軸”を掲げ、主にリーグ戦のある日曜と平日水曜日に集まり活動している。活動が開始してから現在で4年目。6校から参加を募り、長谷川さんの属する3期生は東大を除く5校から計18名が参加。大学野球の間口を広げるために日々活動している。
活動の認知度は年々上がってきており、今年4月からは、12人が4期生として入会するようだ。ゼミの活動は2年間あり、昨年入会して1年目のシーズンを送った長谷川さんは、先輩の企画の補助や、自分たちの企画を実施するために現状分析に取り組んでいたという。
まず「最初の軸」である講義では、1年に10回ほど、企業や大学の第一線で活躍されている方々にスポーツビジネスなどの講義を受ける。リーグ戦のある日曜日に、もう一つの「軸」である企画を実現するにあたってのアンケート調査などの現状分析をしている。
会議と神宮での活動を交互にやるからこそ、“2つの軸”なのであると長谷川さんは言う。
Twitterのタイムラインで、大学の友人が東京六大学野球の試合速報をリツイートしているのを見かけたことが皆さんもあるかもしれない。実は、これは彼らの仕事なのだ。記者室に座し、事細かに試合の状況を発信している。筆者も、六大学野球の期間中にTwitterで速報を見ていたが、彼らの努力の賜物だったのである。
ゼミ生の活動は何も野球のシーズンである春と秋に限ったことではない。実際にシーズン期間に実施する案を考えるオフシーズンこそが肝である。全員で出した案をくっつけて実現可能な案にまで練り上げ、9個の企画を実施するのである。
今年実施される予定の企画をいくつか挙げると、「学食から神宮へ」、「明治神宮野球場外観の活性化」、「次世代ビッグシックスフェア」、「Tokyo Big6 Festival2019」などがある。
この中には、野球未経験者の学生が考えた企画もある。野球経験者のみが所属しているわけではなく、野球に関心のない人、なかった人も神宮球場に来てもらうために、初心者・経験のない人の視点に立つことにも重きを置いているようだ。ただし、動機は違えど、野球に関する熱い思いを抱いている点では誰もが一緒である。
長谷川さんは語る。
「スポーツの定義に『する・みる・ささえる』という3つの言葉があります。私は高校まで、ずっと野球をしてきたのですが、大学では続けずに、2年生の秋まではずっと見るだけでした。そんな時に早稲田大学のある講義で、そのスポーツの定義を聞いたのです。『これまで“する”、“見る”をしていた人が、これからは“ささえる”ことをして欲しい。』講義していた先生はそう仰いました。それが脳裏に焼き付いた私は、“みる”、“する”でお世話になった野球を、これからは“ささえる”ことに決めて、東京六大学野球連盟のホームページを見てこのゼミに入ったのです」。
筆者も高校まで野球をやっており、しばらく遠ざかっていた。しかし、長谷川さんの熱気にあてられて、それまで抱いていた野球への情熱が再燃したように思う。
4月13日の開幕戦は学生証持参で無料になるという。友達を誘い、または新歓の一環で、神宮を訪れてみてはいかがだろうか。
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(文/濱井 正吾)
「東京六大学野球ゼミナール」
Twitter:@big6_seminar Instagram:tokyo.big6_official