衝撃の実態!内部生を知るための12章~早大学院~(後編)
早大学院出身の筆者による内部生紹介の後編となります。教師や部活など、とても興味深い分野の話もあるので、皆さんの高校との違いにも注目してみてください。
⑥ 個性的な教師陣
早大学院の教員は大学でも教鞭をとる方が多く、なかなか個性的な方が多いです。実績も凄まじいものがあり、博士号を持つ方も珍しくありません。
倫理のある先生は、保守的な立場から、中国がいかに虚偽にまみれた国家であるかを、アリストテレスそっちのけで生徒たちに主張します。(それもすべての授業で!)
数学のある先生は毎回20分以上遅れてやって来て、生徒の90%が理解できない超スピードの授業を展開します。
英語のある先生は授業中に昨夜見たとかいうB級エロティックコメディから例文を引っ張ります。
教員が不在の際は代講という形で代わりの方がいらっしゃるのですが、たいていの場合出席を取るだけで帰ってしまい、あとは自由時間となります。この代講が非常に多い。多い時は週に3~4時間生じることもありました。
このように、いい意味でも悪い意味でも個性的な方が多いのです。
⑦ 卒業論文
(photo by Valentine Svensson)
学院生は卒業にあたって1万2000字以上の卒業論文を書かなくてはなりません。テーマごとに専任の教師がついて指導が行われますが、堕落した学院生の多くは直前まで一文字も書きません。
締め切り前に夜遅くまで残って書くことは恒例行事となっています。テーマは生徒によってさまざまで、「第一次世界大戦と諷刺画」という研究をした生徒もいれば、「宅配業者の労働環境問題」について解決策を提案する生徒もいます。
論文の中でも優秀な作品は、「論文作品集」という冊子に掲載され、次年度以降の論文のお手本となります。
⑧ 掃除
(photo by FTTUB)
学院生は掃除をしません。これは大隈重信が「男は掃除をせずに勉強しろ」という崇高な理念を掲げたことからきています。
では誰が校舎を清潔に保つのかというと、それはTEAM WASEDAという業者です。いつも教室を汚してしまう学院生は、TEAM WASEDAの方々に頭があがりません。
⑨ 部活
学院生には受験がないので、部活に好きなだけ打ち込むことができます。かといって全生徒が部活に熱中するかというと、決してそうではないのですが、学院には運動部28・文化部24あわせて52の部活があり、好きなことに熱中できる環境がそろっています。
なかでもアメフト部(米式蹴球部)は超強豪で全国大会の常連です。他にも軟式野球部は関東大会準優勝・全国大会ベスト8という実績を持っています。さらに弓道部・ヨット部が都大会入賞の実績を持っています。
文化部については、雄弁部が全国クラスの実力を持っていたのですが、ここ3年は伸び悩んでいる状態です。
その他の部活動にはフェンシング部、ジャグリング同好会、ロシア語同好会など、全国的に珍しいものも多くあります。
また、学院には部活とは別に「プロジェクト」と呼ばれる団体があります。これは、生徒主体で行われる課外活動といってもよく、「教育プロジェクト」「環境プロジェクト」「模擬裁判プロジェクト」などがあります。
「教育プロジェクト」では、自分の好きな分野について模擬授業を行ったり、実際に近くの中学校を訪問して、授業の支援などを行ったりしています。「環境プロジェクト」では、環境問題を身近に考えることをモットーに、地域清掃や使用済みコンタクト容器の回収などを行い、「模擬裁判プロジェクト」では日本弁護士連合会の主催する「高校生模擬裁判選手権」への参加をメインに、法・司法に対する理解を深める活動が行われています。
⑩ 校歌
(画像は早稲田大学公式HPより)
早大学院の校歌は大学と全く同じ「都の西北」で、同様に応援歌も「紺碧の空」を歌います。けれども、校歌の人気は低く、歌詞をちゃんと覚えている生徒はあまりいません。そのくせカラオケなどに行くと突然歌い出す生徒もおり、これをある先生は「都合のいい時だけ早稲田ヅラするな」と評していました。
⑪ 食堂
(photo by Jason)
早大学院には大学生協によって運営される食堂があります。メニューも大学とほとんど変わりません。が、味は大学よりもはるかに上です。
大学は学生の数が圧倒的に多いので、多少質が落ちるのは仕方がないのかもしれません。
⑫ 学院雑誌
(photo by WordRidden)
早大学院では年に1度、学院雑誌(通称:学雑)なるものが刊行されます。これは校内雑誌のようなものです。大学でいうマイルストーンに近い感じでしょうか。
内容はとても娯楽性に富んでおり、留年生インタビューや学院用語集・教員紹介などが掲載されます。
今年は学院出身Youtuberのブレイクスルー佐々木さんのインタビューが掲載され話題を呼びました。
終わりに
(筆者が撮影)
さて全12章にわたる内部生の実態、いかがだったでしょうか?一般入試を受けた方から見ると、内部生はどこか不思議な存在かもしれません。
しかし、彼らとて決して特殊な存在ではありません。皆さんと同じように大変な受験を経験してきました。ただ一点、その時期が違っただけなのです。
内部生に近寄りがたいと思っている皆さんも積極的に彼らに話しかけてみてください。すでに6年間早稲田に染まった彼らから、何かを得られるかもしれませんよ?
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(文/beco)