【大学生向け社会貢献シリーズ②】~海洋ゴミ問題からSDGsについて考えるOGZ・NAMIMATIさんの清掃イベントに参加してみた~

⓪はじめに
こんにちは!がくよむライターのねもです。【大学生向け社会貢献シリーズ】の執筆を担当しています。前回はシリーズ第1弾として、「大学生(と同じZ世代の若者たち)が中心になって活動しているOrganization of Generation Z (OGZ) の社会貢献活動に参加するのって、どんな感じなの?」ということをテーマに記事をアップさせていただきました(前回の記事はこちらから )
本稿では、【大学生向け社会貢献シリーズ①】の取材でご縁をいただいたOGZのNAMIMATIさんが12月19日に開催したイベント「Do you know it’s 海洋ゴミ?」に筆者が参加してきましたので、イベントのレポートをさせていただきます。
今回のイベントのテーマは、都市のゴミのポイ捨て問題が海洋汚染の原因となっている現状について若い世代(Z世代)に啓発すること。代々木公園周辺の清掃活動と海洋汚染についてのプレゼンテーション、そしてサスティナブルファッションを取り入れたファッションショーを通じて、堅苦しくなく 「カッコよく」環境問題に取り組む体験ができる、というのがこのイベントの内容でした。
以下、当日のイベントの具体的な様子をレポートしていきます!前回の記事に引き続き、「社会貢献活動に参加してみたいがなかなかその一歩が踏み出せない」、「学生団体がどのような活動を行っているのか知りたいがよくわからない」というモヤモヤを抱いている大学生のみなさんの参考になれば、という思いで執筆しました。それでは、当日の流れに沿ってイベントの模様をご紹介します!
①原宿~渋谷エリアの清掃活動

土曜日の朝10時過ぎ。JR原宿駅西口から歩いてすぐの代々木公園入り口に50人のイベント参加者とNAMIMATIの運営メンバーのみなさん、協賛団体の方々が集合します。
参加者は手袋とトング、ゴミ袋を受け取り、協賛団体の一つである〈渋谷海さくら〉さん提供のブルーサンタ帽子を被っていざ清掃に出発!

代々木公園の周辺、代々木第一体育館の向かいのランニングコースやNHK放送会館の周辺は、一見するとゴミなど落ちていないように思われます。しかし、植え込みに目を凝らしてトングを突っ込むと、あれよあれよというほどに缶・瓶・ペットボトルのゴミが溢れ出てきます。また代々木公園入り口から少し離れると、煙草の吸殻のポイ捨てがかなり沢山落ちていることに気付きます。普段はなかなか直視するものではありませんが、ゴミ拾いをしていると、私たちの生活している都市には信じられないほど大量のゴミがポイ捨てされているのだという現実を否応なしに突き付けられます。

普段はビーチクリーンの活動をしているNAMIMATIの運営メンバーの方曰く、海に落ちているゴミと都市に落ちているゴミとでは様子が全く異なるそうです。ビーチクリーンで拾うプラスチックのゴミや煙草の吸殻はどれも朽ち果てていて原型を留めていないのに対し、都市に落ちているものはある意味で”綺麗な形”をしているそうです。つまり、海に落ちているゴミはその場で捨てられたものではなく、都市で捨てられたゴミが下水道を通って海にまで流れ出てきたものである可能性が高い、ということなのでしょう。

約1時間半の清掃でこれだけの量のゴミが集まりました。原宿~渋谷の限られたエリアにこんなにも沢山のゴミが落ちているのだというのはなかなか衝撃的なことなのではないでしょうか。たった一回の清掃活動の持つ環境改善効果は微々たるものかもしれませんが、塵も積もれば何とやら、まずは自分たちが絶対にポイ捨てをしないという意識を持たなければならないのだ、ということに気付かされました。

②プレゼンテーション会
ゴミ拾いの後は、渋谷のクラブ・キャメロットさんに集まって協賛団体のみなさんとNAMIMATIメンバーによるプレゼンテーションです。清掃活動を終えた参加者たちに対して、海洋汚染をめぐる現状やそれぞれの団体が目指す社会の姿について、柔らかい語り口で説明してくださいました。
まず初めは〈渋谷海さくら〉さん。ビーチクリーンの活動の延長として渋谷の清掃活動に取り組んでいらっしゃる先達です。原宿~渋谷の清掃活動で拾ったゴミがもしも拾われないまま放置されていたら下水管を通って海に流出し、海洋汚染に繋がる、ということを改めて強調していらっしゃいました。
次は海上保安庁職員の方。海洋汚染が年々深刻化してきている現状については、海の上の安全を守る海上保安庁のみなさんも問題視していらっしゃるようです。

そして最後に代表のカツキさんをはじめとするNAMIMATIメンバーのみなさんによるプレゼンテーション。自分と同じZ世代の若者が社会問題に目を向けて行動していくことによって、企業が利潤の最大化を目指しながらも自然にCSRとCSVを追求していくことが当たり前になるような社会をつくっていく、というNAMIMATIの理念についてアツく語ってくださいました。


③サスティナブル・ファッションショー
最後の企画は、「堅苦しくなく そしてカッコよく社会問題に取り組む」ことをテーマとしているNAMIMATIさんならではのファッションショーです。NAMIMATIメンバーがモデルとなって古着やサスティナブル素材を使ったファッションをカッコよく着こなす姿を見せることで、「着る服を選ぶという日常のワンシーンから社会や環境を変える一歩を踏み出すことができるのだ」というメッセージを体現していました。




みんなカッコいいですね。
最後に記念撮影をしてイベント終了です。

10時半のイベントスタートから13時まで、内容盛りだくさんであっという間の2時間半でした。堅苦しさや面倒くささを感じずに気軽に参加したのにもかかわらず、社会貢献も自己啓発ができる非常に有意義なイベントだったと思います。NAMIMATIメンバーのみなさん、ありがとうございました!
⑤インタビュー

イベント終了後に、参加者にインタビューをさせていただきました。答えてくださったのは早大1年のソウシロウさんとダンさん。NAMIMATIメンバーであるご友人に誘われて参加なさったそうです。普段から釣りやライフセービングに親しんでいらっしゃるお二人。自分たちにとってレジャーの場である海と、生活の場である都市のゴミ問題がイベントを通して結びついたので、今後はライフセービングの活動をする中で都市ゴミの問題について啓発したり、海と都市両方の環境問題に意識を向けたりしていきたい、と語ってくれました。またファッションショーを見て、多くの人々に「サスティナブル=カッコいい=憧れ」という価値観が受容されるようになれば持続可能性に配慮した生き方が広まっていくだろう、という意見も述べてくださいました。それまで古着に興味があったわけでもなかったけれど、自分もちょっと着てみようかな、という気分になったそうです。

NAMIMATIの代表のカツキさんとメンバーのアリサさん、ハヅキさんにもお話を伺いました。今回のイベントは運営のみなさんにとっても大成功だったようです。海上保安庁をはじめとした強力な後援がついていたが故の説得力に加えて、自分たちらしい言葉で参加者たちにメッセージを伝えることができたという確かな実感がある、とのこと。またカツキさん曰く、若い人たちが最後まで明るく楽しく参加できる社会貢献イベントはなかなかないそうです。運営メンバーと参加者が相互的にやりとりをすることでより価値観がアップデートされていくようなシーンもあり、このようなイベントを開催することができて本当によかった!とおっしゃっていました。
参加者のお二人へのインタビューを踏まえると、NAMIMATIメンバーのみなさんのメッセージはしっかりと届いていることでしょう。みなさんお疲れ様でした。筆者は今後もSNSでのNAMIMATIさんの情報発信を応援し続けたいと思います!
⑥まとめ
NAMIMATIさんのイベントへの参加を通して、自分と同じ大学生(を含むZ世代の若者たち)の中に、これほどまでに大規模なイベントを開催して確固たるメッセージを発信することができる人たちがいるのだ、ということに驚かされました。また、普段はこういった活動に参加していなくても、単発のイベントに参加するだけで社会に貢献したり自分の価値観をアップデートしたりすることができるのだということを再確認しました。動き出したいけれど動き出せない、そんなモヤモヤを抱えている大学生のみなさんも是非、このシリーズの記事を参考に様々な活動に参加してみてください!
(文/ねも)