都電荒川線 ”東京さくらトラム”で、都心の”密”を避けたお花見をしに行きませんか?

⓪はじめに
2021年3月21日をもって、首都圏に発令されていた緊急事態宣言が解除されて間もなく、東京でも桜が見ごろを迎え始めました。
せっかくのお花見シーズンですが、今年も大人数で集まってのお花見宴会はご法度。楽しみにしていたお花見ができず、落ち込んでいる方がいらっしゃるかもしれません。
この記事では、そのような方々に楽しんでいただける、ちょっとした鉄道旅とお散歩を組み合わせたお花見のスタイルを紹介します!
それはズバリ・・・都電荒川線(通称:東京さくらトラム)に乗って、車窓の景色と沿線の街歩き、そして桜の三つを存分に満喫する、というものです。都心の”密”を避けつつ、東京の春を欲張りに楽しむ、そんな夢のようなお花見をしてみませんか?
それでは、みなさんと一緒に東京さくらトラムに乗って、春の陽気の中へ、いざ出発進行!
①都電荒川線 東京さくらトラム とは?
都電荒川線とは、大半が地下鉄化された東京都営電車の中で唯一地上に現存する軌道路線(路面電車)です。早稲田から明治通りを北上し、北区の王子駅を経て荒川区の三ノ輪橋駅までの区間を約1時間で結びます。小ぢんまりとした一車両のトラムに乗り込んで、自動車と並んで都内北東部の住宅街を走り抜けていく……令和の今となってはこの路線でしか味わうことができない何ともレトロな体験をすることができるのが都電荒川線の魅力です。
ここまでの部分でも既に何度か表記しているように、都電荒川線には”東京さくらトラム”という愛称がついています。
それはなぜなのでしょうか?
実は、都電荒川線沿線には桜の名所がたくさんあるのです!
お花見シーズン、”東京さくらトラム”の愛称で親しまれる都電荒川線に乗れば、トラムのレトロな魅力と桜の美しさの両方を満喫することができるのです。
いかがでしょうか?あなたもだんだん、トラムに乗りたくなってきたのでは?
②都電荒川線に乗って行く!おすすめお花見ルート
トラムに乗りたくて仕方がなくなってきたあなたのために、暇さえあればトラムに乗っている筆者がおすすめのお花見ルートをご紹介いたします!
こちらに掲載している写真は、筆者が実際に2021年3月24日に一人でふらふらっとトラムに乗った際に撮影したものです(一部、2020年11月に撮影したものも含まれます)。ぜひとも参考にしてみてください。
それではあらためて、発車しま~す。
②-1 早稲田~面影橋(徒歩)
都電荒川線の始発駅は早稲田ですが、次の停留所である面影橋まで、あえて徒歩で移動します。
トラムの軌道から一本奥の道に入ると、神田川沿いの道に出るのですが・・・
いかがでしょうか?お花見開始5分でこの桜!!これを見逃してはもったいない!!
ということで、ここからしばらく道なりに歩いていきましょう。
そして面影橋に到着!早稲田近辺で一番の桜の名所で、この日も多くのお花見客が訪れていました。川沿いの桜の名所といえば目黒川の桜が有名ですが、こちらも負けてはいません。
宴会スポットがあるわけでもないので、ふらっと訪れて桜を眺めるには丁度良い場所ですね。
面影橋の上から明治通りにカメラを向けると、トラムと桜を一枚の写真に収めることができます。これぞまさに、”東京さくらトラム”ですね。
早稲田のすぐ近くに、こんなにも魅力的な桜の名所があるのです!みなさんもぜひ、足を延ばしてみてくださいね。
②-2 面影橋~三ノ輪橋(都電 三ノ輪橋方面)
面影橋の桜を堪能したら、しばしトラムにゆられながら東京下町の街並みを堪能しましょう。都心の喧騒から離れた巣鴨や尾久の生活感たっぷりの街並みは、何とも落ち着きます。せっかくですから、終着駅の三ノ輪橋まで乗っていくことにしましょう。
途中、飛鳥山停留所~王子駅前停留所の間に、東京23区内とは思えないほど立派な丘の公園が見えます。桜が満開の飛鳥山公園です。三ノ輪橋から折り返して、後ほど下車して立ち寄ることにします。トラムの車窓から眺める飛鳥山の桜もまた、一興。
終点・三ノ輪橋で下車すると、そこはまさに昭和レトロの世界。レトロ好きにはたまりません!停留所周辺の雰囲気も良いですね。
お腹が空いてきたので、荒川区民御用達の有名なベーカリー”むぎわらい”さんで野菜ベーグルのランチをいただきます。
高架下に可愛らしい都電のグラフィティが描かれていました。
②-3 三ノ輪橋~飛鳥山(都電 早稲田方面)
優しい味のベーグルと食後のコーヒーを堪能したら、再びトラムに乗って、先ほど車窓から眺めた飛鳥山公園を目指します。
飛鳥山停留所で下車したら、飛鳥山公園は目の前。公園内に直接つながる歩道橋を渡って行きましょう。
歩道橋から、トラムと飛鳥山の桜を一枚の写真に収めることができます。
これぞまさに、”東京さくらトラム”ですね(take 2)。
飛鳥山公園は、広々とした敷地内に桜をはじめとする様々樹木が生い茂る、自然豊かな公園です。散策道も広く、木立の間を歩くこともできるため、他の花見客と”密”になるようなこともなく、安心してゆったりとお花見を楽しむことができます。
飛鳥山公園は、山、という名前がついている通り小高い土地になっているので、都内東北部の街並みを一望することができます。もちろん、トラムを見下ろすこともできますよ。
都内交通の要所である王子駅からほど近いこともあり、古くから都民に親しまれてきた都電の旧車両やSL機関車(通称デゴイチ)が遊具として置かれています。
桜とトラムはやっぱり合うなぁ。
2021年NHK大河ドラマ『青天を衝け』主人公の渋沢栄一が晩年の活動拠点にしていたのが北区王子だった、という縁から、園内に大河ドラマ館がオープンしています!
他にも3つの博物館施設があるので、お花見以外の楽しみ方ができるというのもまた、飛鳥山公園の魅力ですね。
②-4 飛鳥山⇒庚申塚(都電 早稲田方面)
飛鳥山を歩き疲れるまで歩き通したら、トラムに乗って早稲田まで戻りましょう。
途中、庚申塚停留所から三ノ輪橋方面行の停留所に目をやると、何とも美味しそうなおはぎ屋さんが・・・実は三ノ輪橋まで乗っていくときにホームから見えて、気になっていたんですよね・・・たくさん歩いてお腹が空いたし、ちょうどおやつの時間なので、途中下車して寄り道をしてしまいましょう。
三ノ輪橋方面のホームに隣接しているおはぎ屋さん、”いっぷく亭”さんの名物セット。おはぎとコーヒーの組み合わせというのもまた、非常に美味。通り過ぎるトラムを眺めながらの一服は最高です。
②-5 庚申塚⇒早稲田
甘味を堪能したら、いよいよ早稲田に戻ります。面影橋付近で、車窓から神田川沿いの桜を眺めることができます。端の上から見るのとはまた違った桜の魅力がありますね。
早稲田停留所を降りると、程よい疲労感と満足感。
歩いて、写真を撮って、トラムに乗って、また歩いて、美味しいものを食べて、トラムに乗って・・・宴会なんてしなくても、一人でも、最高のお花見体験ができてしまいました。
都電荒川線、通称:東京さくらトラム、恐るべし・・・
東京の桜の見ごろはあと残りわずか。みなさんも、この記事を参考に、ぜひともトラムに乗って、”密”を避けたお花見を楽しんでみてください!
それでは次の記事でお会いするまで、ごきげんよう。またのGaku-yomuへのご乗車をお待ちしております。
〈文・ねも〉